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第788話 稗月ノ眠リ唄8



 ラクダの鳴き声と道路工事の怒号が混ざったかのような酷いボイパだった。ドラえまんでいうジャイアンのコンサートだなこれは。

 なるほど、ボイスパニックとは確かにあながち間違ってないな。


 親父や爺ちゃんまでも耳を塞ぐ中、理沙だけは平然と聞いていた。


「理沙、平気なのか?」

「下手だとは思うけど耳を塞ぐほどじゃないよ。本当に耳を塞ぎたくなる音ってこんなもんじゃないから」


 理沙は実の父親に虐待を受けていた。

 本当に耳を塞ぎたくなる音というのは理沙にとってはこんなもんじゃなかったのだろう。

 恵まれてる俺には分からないことだ。


「悪い」

「何でユキマサが謝るの?」

「別に……」


 それ以上は理沙は何も言わなかった。


 *


 ヤギのおっさんは満足そうにステージを降りた。自分の音に気づいてないのもジャイアンそっくりだな。


「あの馬鹿、ボイパは止めろって高校の時から言っといたのに」

「うん、あれは止めろよ親父」


 その後の出し物は大いに盛り上がりを見せた。


 優勝候補としてはPN.マスキングの手品。これがすごく盛り上がった。俺は種が分かってしまったが言わぬが花だろう。

 他にはシンガーソングライターの歌や幼稚園児の両親への感謝の手紙など、心暖まる出し物があった。


 これはヤギのおっさんカレーライスは無理だな。

 帰りは大人しくゴゴイチのカレーでも食べてくといいよ。美味いからなゴゴイチ。

 ゴゴイチには1~10辛の辛さを選べるシステムがあり、1辛でも中々に辛い。辛いのが苦手な人は甘口推奨だ。こないだ家族でゴゴイチに言った時は親父は10辛を汗を掻きながらも美味そうに全部残さず食べていた。辛いの平気なんだよな親父。

 ちなみに理沙と婆ちゃんは甘口、母さんは1辛、爺ちゃんと俺は3辛を食べた。美味しかったです!


 ステージイベントの参加者は50名を超えた。

 インパクトだけならヤギのおっさんはピカイチだろう。二度と聞きたくないけどあのボイスパニックは。


「いよいよこの後に入賞者の発表です!」


 パチパチパチパチと拍手が起きる会場。


 結果から言おう、ヤギのおっさんは入賞しなかった。優勝はマジックを披露したPN.マスキングさんだった。


「ヤギ、ボイパは止めろって前から言っただろ……」

「俺のボイパにまだ人類は追い付けないか」


 ダメだ。この人、自分のボイパに自信しかねぇ。


「ま、ドンマイだ。ヤギ、まだ時間あるだろ?」

「おう、勿論だ」

 あ、この親父の顔は……

「よっしゃ、飲もうぜ! この後、キャンプファイヤーもあるんだ! 宴と洒落込むぜ!!」




 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想、いいねをいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!

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