第780話 女子会
コンコン、コンコン。
「クレハ、桜、アリスなのです。少しいいですか?」
控えめなノックの後にアリスは部屋に向け声をかける。すると、
「アリスちゃん?」
「よければ部屋に入ってください」
クレハと桜の返事が聞こえる。
「お邪魔するのです」
パタンとアリスが部屋に入ったのを確認し俺は部屋に近づき扉越しに三人の会話を盗み聞く。
「こんばんは。アリスちゃん、どうしたの?」
「クレハ、桜、その……今日は私も一緒に寝ていいですか?」
照れくさそうに、恥ずかしそうにアリスは話す。
そしてクレハと桜はそんなアリスがツボだったらしく、
「大っ歓迎!! いいよね、桜ちゃん」
「私も大歓迎です!」
黄色い声音でキャーキャー、胸をきゅんきゅんさせているのが扉越しでも分かる。
「ありがとうなのです。今日は一人で寝るのが、その……怖かったのです」
アリスの声は震えていた。無理もない、魔王が攻めて来たんだ。
そして俺はここで扉越しに声をかける。
「おい、クレハ、桜、アリス。俺はこの扉の外で寝させて貰うがいいか?」
「ユキマサ君!? 何で? どうしたの!?」
「少し護衛をな。こんなことがあったばかりだ。部屋の外に護衛の一人でも居た方がアリスも安心だろう」
「そうなんだ。うん、ユキマサ君が居てくれるなら私たちも安心して寝れるよ! ね、アリスちゃん?」
「はい。ユキマサが居てくれれば怖いものは無いのです!」
「でも、ユキマサさん外で寒くないですか?」
「ありがとう桜。でも心配は無用だ。夜は少し冷えるが、気にするほどの事じゃない」
と言うワケで俺は〝シルフディート〟のフォルタニアの護衛以来の廊下での一夜を明かすことになった。
少したつと扉の向こうからはキャッキャウフフと楽しげな会話が聞こえてくる。好きな食べ物は? の質問には勿論アリスは〝唐辛子〟クレハは〝肉〟桜は〝パン〟と答え、今度パンに肉を挟んで唐辛子をかけて皆で食べてみようとか話してるよ。
女子トークって奴かね? 定番の好きな人いるの? の質問にはクレハが慌てて「外にユキマサ君いるからダメだよー!!」と、拒否。どうやら俺には聞かれたくないらしい。
クレハ好きな人いるんかね? あれ? また胸が痛い。こりゃ続くようなら病院行った方がいいかな。
女子会はシンデレラでも帰る時計の針が天辺を過ぎる頃まで続いた。盛り上がりすぎだろ?
今はクレハがヒシヒシと俺と出会ったヒュドラの〝変異種〟の話をまるで英雄談のように話してるし? そこまでのことはしてませんよー。
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