第778話 勝手な約束2
「私のお友だち、いや親友なんです!」
「俺は友達止まりだ。同じ釜の飯を食った」
クレハは少し興奮したように、俺は冷静に話す。
「〝鶴〟って何だ? 〝ステータス画面〟を見せて貰ったことがあるが、初耳だぞ」
「知らないのも無理はない〝鶴〟とは古から伝わるエルフの覚醒者に与えられる名だ。そして覚醒者は世にも珍しいエルフ→ハイエルフとなる」
「あいつ本当にハイエルフになったのか!? 中身レズフだぞ?」
レズエルフ略してレズフ。
ひょっとしたらハイエルフより希少何じゃないか?
「白銀色の髪に一房の赤い髪が〝鶴〟の特徴だ。次に会った時は少し髪の色が違うだろうから注意するといい」
ジャンピングバイソンの赤身ステーキをワイルドかつ綺麗に口に運びながらニールスが言う。
「ほう。この時代にも〝鶴〟が現れよったか。後世の者も意外と育っておるのかの」
「何だ、黒芒知っているのか?」
同じくジャンピングバイソンの赤身ステーキを食べながら……と、いうか食べきり、ゴンザにおかわりを所望しながら、黒芒が話に割って入る。
「まあの。昔の知人に〝鶴〟がおった。なあに1000年前の話じゃ。奴も、もうおるまい」
少し話を聞きたかったが、黒芒が『もうおるまい』と言った声と顔が寂しげだったので、ここは空気を読んだ。もっと詳しく言ってしまえば黒芒のその言葉にはその人物の他界を意味していた。
触れられたくない過去の一つや二つ黒芒にもあるだろうしな。いつか自分から喋ってくれるのを待とう。
「クルッテル、シチュー冷めてしまうのですよ」
「ああ悪いいただくよ。あ、でも、ちょっと待ってくれ。他にも知り合いの名前がある」
そう言って俺が新聞に目をやった記事は。
『祝・独軍シラセ・アヤセ〝限界超越者〟到達』
「あいつ〝限界超越者〟になったのか! これはめでたいな。最後に会った時は確かレベル96だったか?」
「それはスゴいな。レベルは上がるにつれどんどん上がりづらくなる。96→100↑まで上げるのは至難の技だろう。あるいは何かあったかだ」
クピっと何処からか運ばれてきた酒をのみながら話すニールスは顔は真剣そのものだ。
「何かあったって具体的には何だ? ニールス」
「自分よりレベルの上の者を倒したり、新たなスキルが開花したり、他にも短期間に急激にレベルが上がる裏にはそんなことらが隠れてたりする。先程の〝鶴〟がいい例だ。まあ〝鶴〟これは中でも特例だろうがな」
更に酒を飲みながらニールスは言った。
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