第769話 鶴の覚醒24
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数日後、手の早い〝聖教会〟が街の復興を完全に完了した。それにより〝団子屋・花選〟も本日から再営業だ。
ミリアとエメレアは早起きしてお店に向かった。お昼には少し早かったけど、おばさんは快く二人を向かえた。
「彗星ですか?」
相変わらずの銀髪に一房ばかりの赤い髪を垂らし、もぐもぐとおにぎりの鮭を食べていたエメレアが食べる手を一度止める。
「うん、流れ星も見れるんだって! 明日、エメレア観に行こうよ!」
いつもよりテンションの高いミリア。
花選のおじさんとおばさんと会えたミリアは朝からテンションが高かった。
「ええ、はい。でも、何処に?」
「あ、家の湖から見れると思うよ」
ちょっと落ち着こう。と、水を飲むミリアはふぅっと息を吐く。右手にはおばさん特性の2キロのおにぎりが握られている。具は鮭。エメレアと同じにした。
「なるほど、あの場所ならばさぞ絶景でしょう」
二人で寝転び夜の星を見ながら、星を指さし、プチキャンプをすることを考えると自然と笑みが溢れた。
折角ならキャンプもプチでは無くちゃんとしよう! との、ミリアの発言で、ギルド騎士隊員なら誰でも持ってる〝本格キャンプセット〟を〝大都市エルクステン〟にまで取りに行った。
「カボチャのランタン。これ可愛いでしょ? エメレアが買ってくれたんだよ。私のお気に入りなんだ」
どうみてもハロウィンのカボチャのランタンなのたが、ミリアは季節に関係なく喜んで使ってる。
「私がですか? すいません。覚えてなくて……」
「大丈夫、少しずつ思い出していこうね」
「可愛いですね。ミリアさんにピッタリです」
「えへへ、ありがとう。あ、エメレア買い出ししてっていい? 向こうだとお肉とかはイイヤツはあまり手に入らないんだ」
「はい。回っていきましょう」
本格キャンプセットの入った、大きなリュックを背負ったミリアが先に部屋を出た。
「ミリアさん、私が持ちますよ?」
「これくらいは平気だよ」
ギルド女子騎士寮からでると、エメレアに人だかりができる。
「おい、あれ〝鶴〟じゃねぇか?」
「噂のハイエルフか、隣のちっこい水色のは誰だ?」
「どうせ、願わくば甘い密でも啜ろうって輩だろ」
「あー、羨ましい、俺もハイエルフの加護を受けたいぜ。誰か紹介してくんねぇかなぁ……」
カッチーンと、エメレアがミリアを馬鹿にされたことに一言二言、言い返してやろうとした時だ。
オレンジの髪の少女は男共に蹴りかかっていた。
「ていっ」
「「「うわぁ、やられたー!!」」」
「家の常連さんを馬鹿にすると許しませんよ!」
給仕服の少女は男共を一掃するとVサインを決めた。
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