第766話 鶴の覚醒21
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〝ルスサルペの街〟街中
「エメレア……だよね?」
ポーションでなから回復したミリアが長い白めの銀髪に前髪に一房だけ赤い髪になったエメレアに一応そう問いかける。
「はい。エメレアです。あれ? 髪が……」
「どうしたの、大丈夫!? 痛い所とか無い!?」
「大丈夫ですよ。髪の色が変わったぐらいで死んだ人はいません」
でも、そわそわと落ち着かない様子のエメレア。
そこにラックとエルタが口を挟む。
「凄いな、お嬢ちゃん。いや、本当に凄い」
「我々は全滅を覚悟していた。すまない、助かった」
「あ、いえ、お気になさらず」
そう言えばいたなー……と、ミリアにしか目が行って無かったエメレアは反省する。
と、その時だ。
「大丈夫かーーッ!! エメレア、ミリア!!」
空竜に乗ったシスティアとクレハの祖母マリア。そして己の翼でこちらに向かうヴィエラの姿があった。
「システィアお姉ちゃん、お婆ちゃんとヴィエラさんも、来てくれたの!?」
「ああ、魔族は……!? エメレア? エメレアか! どうしたんだその髪は?」
近くに魔族の気配が無いのを確認し、彼女には珍しく任務中に少し私情を挟むシスティア。
「えっと、これはその……私にも分からなくて……」
「話しにはシスティアから聞いてたけど大丈夫かい?」
唐突にマリアに話しかけられエメレアはテンパる。
「あ、はい。ひょっとしてやっぱりお婆さんも私の……」
知り合いですか? と、聞こうとし、そっと口を閉じる。本当に何となくだけど、この人にそんなことを聞きたくなかった。いや。本能がそうさせたのかもしれない。その人は自分の大切な人だと。
そう思ったエメレアだが、初っぱなミリアに『誰ですか?』等と尋ねているので格好は付かなかった。
「私はマリア、エメレアはいつもお婆ちゃんて呼んでくれたよ。だからまたお婆ちゃんて呼んでくれるかい?」
「は、はい! よろしくお願いします。お婆ちゃん」
「それで、魔族はどうした!?」
「何かね、エメレアがスッゴい強い矢で魔族をボコボコにして助けてくれたんだ。今は魔族は逃げたよ」
え? マジで? みたいな空気でエメレアに視線が集まる。顔を赤くし「すいません」と、謝るエメレアだが、別に謝る必要は無いのにな。と、この場の誰もが思った。
「なら、私たちも追わなきゃね。瀕死とあらばこんな好機そうは無いわ。システィア、マリア教官行きましょう。これも人類の為です」
ヴィエラが言うと、スイッチが切り替わったように真剣な表情になり、二人は深く頷いた。
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