第760話 鶴の覚醒15
ミリアが来る前に魔族シャルロテと戦う二人の冒険者がいた。冒険者パーティー〝双竜核〟の団長ラック・デイジーと副団長エルタ・アンドレットだ。
金髪立て髪のラックと紫髪眼鏡のエルタ。二人の冒険者の名前は〝ルスサルペの街〟で知らない者はいない。レベル70超えの〝二つ名持ち〟でこそ無いが、それなりの修羅場を潜り抜けた実力者だ。
その二人が一方的に押されていた。
ラックとエルタは自身の持つ、魔力や魔法とスキルを惜しみ無く使い魔族シャルロテへと向かった。
だが、悉く二人の攻撃はシャルロテの筋骨粒々、強靭な腕に跳ね返された。
二人が揃えて思ったことは((格が違う……))
経験はあれど所詮は片田舎の冒険者、図に乗るなと、魔族シャルロテに言われてるような気がした。
そこに水色の髪の小さな人影が入り込んでくる。
「〝大都市エルクステン〟第八騎士隊隊員ミリア・ハイルデート、微力ながら参戦いたします!!」
戦闘モードのミリアは噛まずに名乗れた。
だが、人見知りを感じないぐらい緊張していた。
ミリアを見て魔族シャルロテは「ふははははは!」と、高らかに笑った。
「第八騎士隊!? もう援軍が!?」
「バカな、早すぎる!!」
「はい。残念ながら私は正規の援軍ではありません。お暇を貰い、この生まれた街と湖で休暇を過ごしていましたが、騒ぎを聞き付け参った次第です」
ピシャァとミリアは二人にポーションをかける。
「ポーション! すまない!」
「この街の湖生まれの水色の髪の少女だと!?」
エルタは何かミリアに引っ掛かりがあるようだが、今は空気を読んだ。
*
ミリアが来てから戦況が変わった。
魔族に大きなダメージこそ与えられていないが、ラックとエルタの二人だった頃から考えると見違えた。
簡単に言えばミリアが戦いが上手いのだ。
二回の〝魔王戦争〟を戦い、一度は魔王となった愧火とさえサシで戦ったミリアの経験は長年冒険者を続けた二人を遥かに超えていた。
「団長さん! 危ない!」
トンッとミリアに背中を押されラックはシャルロテの吐いた炎から間一髪で逃れる。
「すまない、ミリア殿、助かった」
ミリアの行動はこれだけでは無い。
隙を見ては魔族を倒すために必要な脳と心臓部の破壊の為に魔法で作った氷の礫を当てている。
(大丈夫、少しずつ削れば私でも、例えただの水滴でも時間をかければ石すら壊せるんだ! それに時間を稼げば私たちは有利になる! それをあの魔族は分かっていない! それだけでも勝機はある!)
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