第755話 鶴の覚醒10
*
二人でいただきますをし、ミリアとエメレアは並んで食事を取った。
「ごめんね。エメレア、私、大食いだからビックリしちゃうでしょ」
「驚きはしましたが、謝ることは一切ありませんよ。食べ物を大切に食べることは量に限らずにとてもいいことですから。でも、沢山食べられるのは少し羨ましいです」
そう言ってエメレアが少し笑った。
それが嬉しくてミリアも笑った。
「私の具は昆布でした。一緒ではありませんでしたね。でも、とても美味しいです」
「私も昆布にすればよかったかな……」
しゅん、と、しょげるミリア。
「そそそんなことありません。すいません私が一緒なら何て言ったせいで」
「ううん、大丈夫だよ。ありがとう、鮭美味しい」
自分の顔より大きなおにぎりを本当に食べきれるのかな? と、心配しつつもエメレアは食事を続ける。
「おいしいね♪」
もぐもぐとおにぎりを綺麗に食べながらミリアは笑ってエメレアに率先して話しかける。
「はい、とても美味しいです」
エメレアが二つ目のおにぎりを食べていた時だ。
「あ、こちらのおにぎりの具は鮭です!」
「ほんとだ! やった、お揃いだね!」
何でもないようなことで二人は楽しげに笑った。
そんな何でもないことが二人は嬉しかった。
*
超大きなおにぎりと普通のおにぎり3つを平らげたミリアとエメレアはキチンとご馳走さまをする。
「おばちゃん、ご馳走さまでした。お会計お願いします」
「あ、ミリアさん、ここは私が払いますよ」
「何言ってんだい、今日は私たちの奢りさ。お会計なんて必要ないよ。また来てちょうだい。あ、ミリアちゃん、はい、お土産のお団子!」
「おばちゃん、いいの?」
「いいんだよ。また顔見せてちょうだい。ウチの実娘は年単位で顔見せないからね。ミリアちゃんたちだけでも顔出してくれると私も嬉しいわ。今度は帰ってきたクレハちゃんにも会いたいわね」
「うん、じゃあ、ご馳走さまでした。クレハはいつになるか分からないけどまた絶対くるね」
ミリアとおばさんが軽くハグをする。
「あ、あの、ご馳走さまです。すいません、私まで」
「エメレアちゃん、何か困ったことがあればいつでも家に来てちょうだい」
「はい、すいません」
「ミリアちゃん、自分の信じた道を進みなさい。大丈夫、後悔なんて微塵も残らないから」
「うん、おばちゃん、ありがとう!」
そう言い二人は団子屋・花選を後にした。
貰った好物のお団子をおやつにエメレアと食べようと考えるとミリアの胸が少し軽くなった。
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