第753話 鶴の覚醒8
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極力、魔物との会敵を防ぎながらミリアは空竜を自分の手足のように飛ばす。
「エメレア、大丈夫?」
「あ、はい。空気が気持ちいいです」
ミリアの運転はジェットコースター張りに速く、谷から谷を抜けるが、そこは流石に異世界人のエメレアだ。全くそこに関しては気にしてない。
飛び進むこと約15分。
「湖に出るよ!」
ミリアとエメレアは無事に目的地ミリアの湖に着いた。
「綺麗……」
一面と広がる透明度の高い深い湖と、その湖を囲う綠々しい森にエメレアは目を奪われた。
「えへへ、少しは元気でた?」
「はい、凄く!」
すると真上から大きな影が二人への日光を遮る。
反射的にエメレアはミリアを守ろうとするが。
「タケシ! ただいま!」
呑気なまでのミリアの対応に「え、え?」と、狼狽を見せる。
「大丈夫だよ。エメレア、あの青い竜はタケシって言うの。私の家族だよ。空竜の〝変異種〟なんだ」
ミリアの呼び掛けに「グウ、グウ」っと、嬉しそうにタケシは鳴き続ける。
家の前に空竜を付けると、ミリアは家の隣にあるお墓に足を運んだ。
「ミリアさん、そちらは……」
「うん、お墓。私のお父さんとお母さんのお墓だよ」
ミリアは花を手向けながらそう言った。
「私もお墓参りしてもいいですか? ただ手を合わせるだけになってしまいますが……」
「うん。お願いします」
エメレアは墓前で手を合わせた。娘さんに大変お世話になっています。ありがとうございます。と。
「エメレア、お腹空かない?」
「え、あ、空いてます。気づきませんでした」
「街にね、仲良しのお団子屋さんがあるんだ。行ってみない? お団子もおむすびも美味しいんだ」
「行きたいです。でも、そのお店も前の私は通ってたんですよね?」
「うん。でも、大丈夫。おばちゃんもおじちゃんも優しいからきっと今のエメレアの支えになってくれる筈だよ」
ミリアの言葉に「はい」と、短く返事をし二人は〝ルスサルペの街〟の団子屋・花選に顔を出した。
「あらあら、ミリアちゃん、エメレアちゃん、いらっしゃい! 心配してたのよ。無事でよかったわ」
「おばちゃん、こんにちはございます」
ミリアに合わせてエメレアも頭を下げる。
「うん、無事だったよ。でもね、あのね、おばちゃん。聞いてくれる? クレハのこと、そしてエメレアのこと」
真っ直ぐに真剣だが、いつもとは少し違ったエメレアと、少し困った様子のミリアの話にお団子屋のおばちゃんは「ミリアちゃん、エメレアちゃん、どうしたんだい?」と、優しく問いかけた。
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