第729話 アーデルハイト王国30
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王宮に戻ると〝ザ・唐辛子祭り〟が開催されていた。急に〝ザ・唐辛子祭り〟と言われてもピント来ないだろうから、詳しく説明すると。
まず、広間の超長テーブル。
シンプルで高そうだったテーブルクロスが今は唐辛子模様の異彩を放つテーブルクロスに変わっていた。
椅子の背もたれも唐辛子のマークだ。
これ結構物はいいぞ!? どこに金かけてんだ。
「お嬢様、皆々様お帰りなさいませ」
「ジャン、このテーブルクロスらはどうしたのです? まさか税金を使ったのではないでしょうね?」
あれ? アリス知らないの?
完全にアリスの特注品だと思ってた。
「こちらは雑貨屋のネフィロ様からの贈り物でございます。お嬢様に誕生日おめでとうございますと伝えてくれと頼まれています」
「そうだったのですか。疑って悪かったのです」
アリス、ちゃんと謝れるんだな。
部下に謝れる上司ってのは希少だぜ。
で〝ザ・唐辛子祭り〟の説明の続きだ。
これでもかってぐらい唐辛子が並んでいる。10や20の種類じゃない。もっとだ。唐辛子だけでだぞ?
青唐辛子から赤唐辛子、しまいにゃジョロキアまであったよ。多分古今東西の唐辛子が集まってるな。
席に付くと、飲み物を聞かれた。アリスは「好きなのを飲むのです。唐辛子じゃなくてもいいのです」と、言われたので各自好きなものを頼んだ。
「おい、ゴンザ、あたしには〝唐辛子ウォッカ〟ロックで頼むぜ!」
フィップはアリスにとことん付き合うらしく〝唐辛子ウォッカ〟なるものをロックで頼んでいる。
すると酒の匂いを嗅ぎ付けてかそうでないかは知らないが、スルリと俺の影から黒芒が現れる。
「主様、おはよう。いい夜になりそうじゃの」
「お前、フィップの酒の注文で目覚めてないよな?」
「面白いことを言うのう。答えは妾は妾じゃ」
「答えになってねぇよ」
「妾にも酒をくりゃれい。どうやら今日は祭事のようじゃからのう」
いつでも飲んでるじゃねぇか。何て俺は突っ込まないぞ!
てか、唐辛子ウォッカを指差してんじゃん。あれ飲むの? あの、ウォッカに唐辛子浮いたやつ。
すると突然、兵士たちによる演劇が始まった。
タイトルは〝唐辛子君の逆襲〟という中々にヘビーなタイトルだった。
料理を待つ間、しばしそれを眺めている。
物語は唐辛子君なる主人公が魔王に畑を荒らされ魔王討伐に踏み切るという内容だった。
何で魔王は畑を荒らすんだ?
てか、唐辛子君、畑荒らしで魔王討伐とか中々に短期だな。よほど損害がデカかったのか?
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