第724話 アーデルハイト王国25
*
七ノ刻半頃、俺は祭り囃子と共に目を覚ました。
え? 何で朝から祭り囃子が聞こえるのかって?
俺にも分からん。寝惚けとるワケでも多分無い。
トントントンと、扉が叩かれた。
「ユキマサ君、おはよう。起きてる?」
「クレハか、おはよう。今起きた。まだ眠いけど」
「入るよー? お邪魔します」
「おはようございます。お邪魔します」
クレハと桜が部屋に入って来る。
朝から美少女を見ると睡魔も吹っ飛ぶね。
「朝から賑やかだが、何の騒ぎだ。誕生会には早いだろう?」
「それがもうアリスちゃんの誕生日会の〝唐辛子祭り〟は始まってるらしくて……具体的には七ノ刻から……って、アリスちゃん!?」
トコトコトコと、小走りに走って来たアリスが現れた。朝からゴスロリだなー。アリスは。
「クルッテル、いつまで寝てるのですか!!」
「おはよう、アリス。朝から賑やかだな」
「ふふん、今日は朝から唐辛子を食べていい非常に素晴らしい日なのです! そう言えば今日はジャンの奴が生き生きしていたのですよ。私が辛い物を食べ過ぎるといつも怒るのですが、こんな日に珍しいこともあるのですね」
へぇ、よく見てるな。
「なあ、アリス。ジャンは好きか?」
「? いきなり何なのですか?」
「いいから答えろよ」
「……ジャンは私の家族同然なのです。これが答えでいいでしょう。朝からトンチンカンな質問をしてないで早く着替えるのです。それとクルッテル、そのスイセン服は中々似合ってるのですよ」
以前に俺がアリスのゴスロリ服を褒めたお返しなのか、俺の和服をアリスは微笑み褒めてきた。
「だろ? じゃあ、行くか!」
〝アイテムストレージ〟を応用した着替えによりゲームの衣装チェンジ並の一瞬の速度で着替えを終えた俺を見てアリスと桜が目を丸くする。クレハは俺のこれぐらいのことは慣れたらしい。ははは……
*
超長いテーブルのある昨日の広間に行くと、そこはもうお祭りムード一色だった。
色とりどりに活けられた花々、朝から楽しそうに謎ダンスを踊りまくる兵士たち、そしてデカデカと『アリス様9歳おめでとうございます!』の旗。
こいつらアリス好き過ぎだろ?
「アリス様だ、アリス様ーー!!」
「お誕生日おめでとうございますぅ!」
「アリス様、アリス様、万歳!」
「きゃー! 可愛いー!」
黄色い歓声がアリスに向けられる。
「ありがとうなのです……」
少し照れたアリスは熊のぬいぐるみに顔を埋めながら返事を返した。
これがツボらしいクレハと桜も「「かわいー!!」」と、キュンキュンさせてたよ。
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