第723話 アーデルハイト王国24
「身体が軽い……我慢していた咳も今は何ともございません!」
「そりゃよかった。後、聞いてなかったがタバコは吸うのか?」
「数年前に辞めましたが、お恥ずかしながらそれまでは時間があればタバコを吸ってました」
「まあ、ストレスもあるか。辞められそうならタバコは止めたほうがいい」
「承知いたしました。それでですが、お礼はいかほどお支払すればよろしいですか? できれば、私の貯蓄で賄える範囲を超えた場合は分割だと助かるのですが……」
あー、報酬ね。忘れてたよ。
!! そうだ!
「アリスの誕生日プレゼントに難儀しててな」
「?」
急に話が飛んだ俺にジャンは頭に〝?〟を浮かべる。
「アリスには何も要らないと言われてたんだが、お前の延命をあいつへの俺たち一同からのプレゼントとにしようと思う」
「お待ちくだされ、いくら何でもそれは……」
「クレハ曰く、家族の病気が治るのは涙がでるほど嬉しいらしい。アリスは恐らくお前の事を家族、最低でもそれに近しい感情を抱いてるのは明白だ。だから礼ならアリスに言いな」
「貴方は本当に聖人のようなお方ですね」
「そんな酔狂じゃねぇよ。俺、指名手配犯だぜ?」
ヤハハ! と、笑い飛ばす俺をジャンは尊敬半分呆れ半分と言った目で見ていた。
「明日はアリスの誕生日で〝唐辛子祭り〟とやらなんだろ? 沢山、辛いもの食わせてやれ。身体に障らない程度にな」
「ハッ、畏まりました」
お手本のようなお辞儀をするジャン。
「紅茶、飲み終わったな。俺はもう寝るぞ」
「夜中まで失礼しました。ユキマサ殿」
「ん?」
「心からの感謝を」
「どういたしまして。で、いいのか」
「はい。では、失礼いたします。お休みなさいませ」
去っていくジャンを見送ると、今度こそは寝ようと豪華なベッドに俺は潜り込む。
あ、すっげ。何て寝心地だ。柔らかすぎて寝れないかと思ったが、一瞬で睡魔が来たぞ。
やっぱ、寝具って大切だよな。人生の三分の一は寝てるんだから如何に寝具ってのが大切かが分かる。
少し奮発して、この国でベッドを人数分新調してみるのも悪くないかも知れないな。黒芒は俺の影で寝てるけど。一応、用意するか〝アイテムストレージ〟に入れとけばかさばらないし。
後は待たせちまったが、桜にメモリアルリングを渡さなきゃな。喜んでくれるといいが。
そんなことを考えてる内にいつの間にか俺は寝落ちしていた。
朝方、俺の影を求めてやって来た黒芒に少し起こされたが、それを除けば久々にぐっすり寝れたと思う。
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