第720話 アーデルハイト王国21
「通りで良い匂いがすると思った。骨付き肉は成功か? ゴンザはどうした?」
そんな質問を黒芒に投げ掛けると返事は、後ろから返って来た。勿論、黒芒からの返事ではない。
「クルッテル様、お待ちしておりました。頼まれた料理、私なりに精一杯作らせていただきました。どうぞ、お腹一杯食べてください」
と、運ばれてきたのは大皿に乗った、
ほ、骨付き肉だ!!
え? マジで、漫画肉なんですけど!
サイズは30cmくらい!
「ご、ゴンザ……いや、ゴンザシェフ……」
「気に入っていただけましたか?」
「見た目は文句ない。味は……まだ分からんが、正直味はこればかりは二の次なんだ。ああ、勿論、美味いに越したことは無いが」
美味い、不味いの話ではない。この形の、しかもマンモスの肉を食べることに意味があるのだ。
「こいつは何でこんな手がベタベタして食べずらそうな肉の塊に感激してるのですか?」
ちゃんとミニサイズに持ってこられた肉を見て俺の感激を他所にアリスが頭に〝?〟を浮かべる。
「アリス、骨付き肉は男のロマンなんだよ。手がベタベタしてもいいんだよ。てか〝浄化の結晶〟あるだろ?」
「……ふむ、まあ良いのです。さあ、皆で食べるのですよ。ゴンザ、どんどん持って来るのです」
アリスの呼び掛けで、クレハと桜の分の肉、それと野菜やスープ何かも大量に給仕たちが運んでくる。
特大テーブルに並べられた食事を前にいただきますをし俺たちは食事を取る。
念願の骨付き肉だ。親父、ツチノコに続き、俺たちの本願、骨付き肉も異世界にあったぞ!
片手で骨付き肉を持ち、あ、アリスが言ったとうりちょっと手がベタベタするな……まあ、いいか。
いざ、実食! ワイルドに口に運んじゃうぜ!
「美っ味い!」
遠火か弱火でじっくり焼かれた骨付き肉は無駄な油は落ち、肉肉しい肉のワイルドな味がする。
これだ俺が求めていた骨付き肉は!
「あ、ホントだ! 美味しいね!」
クレハは両手でお行儀良く肉を持ちカプリと骨付き肉を食べている。
その横で同じく桜も「熱っ」と言いながらも美味しそうに骨付き肉を食べる。猫舌なのか?
にしても、美少女と骨付き肉は似合わないな。
まあ、和服の俺も大概だけどさ。
でも、一番似合わないのはアリスだろう。
だってゴスロリ服の幼女が骨付き肉食べてんだぜ?
あ、あいつ骨付き肉に唐辛子まぶしやがった!
アリス……この激辛お姫様め!
「お、中々イケんな」
「美味いぞ、主様」
フィップは俺みたく骨付き肉に齧り、黒芒は骨付き肉から骨を外し、上を見上げながら片手で持ち上げた肉を下から食べるという独特な食べ方をしてる。
てか、オイ! 黒芒! それじゃせっかくの骨付き肉の意味がないだろ!
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