第719話 アーデルハイト王国20
*
「ふぅ、ご馳走さま。丁度良い腹ごなしだったよ」
味も絶品だったしな、県のオムライスコンテストで優勝しているオムライサーの理沙にも負けず劣らずの味だ。ちなみに理沙も隠し味に醤油を入れていた。
我ながら味覚の鋭い俺が隠し味を当てると悔しそうにしていたのをよく覚えている。
「美味しかったのです♪」
「アリスちゃん、口にタバスコ付いてるよ?」
口にタバスコを付けてる幼女は本当に珍しいだろうな。桜は優しくそう言いながら、女子力高そうなハンカチでフキフキとアリスの口元を拭いてあげてる。
「ありがとうなのです。危うくリッチがタバスコまみれになる所だったのですよ」
大切にしてるらしい熊のぬいぐるみのリッチを抱き抱えながらアリスは嬉しそうに桜に礼を言った。
会計を済ませて店の外にでると、またアリスがよじよじと俺の肩に乗り肩車状態になった。
「行くのですよ、クルッテル♪」
そんなご機嫌なアリスに俺たちは案内され街の色んな所を回った。雑貨屋から八百屋まで日が暮れるまで買い物を楽しんだ。丁度〝アイテムストレージ〟の食料が減ってきてた所だったから助かったぜ。
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「もう夜になるのですね。楽しい時間はあっという間なのです……」
「アリスちゃん、ありがとね。私も凄く楽しかったよ」
「私もです!」
アリスを連れていると街の連中が野菜くれたり果物くれたり唐辛子くれたりだの、超歓迎ムードで芸能人ばりにちやほやされるので何だか気分が良い。
そのアリスに至ってはサインまでねだられてたよ。
異世界にもあるんだな、その文化。
「喜んで貰えたら何よりなのです。さて、お前たちそろそろ王宮に戻るのですよ。クルッテルの所望した〝骨付き肉〟とやらもできてる頃合いなのです」
「おう♪ 腹が鳴るぜ!」
念願の骨付き肉だーー!!
って、おっとと……まだ気が早いな。信じてはいるが、ちゃんと骨付き肉ができてる保証はない。
「お肉……私も楽しみかも♪」
肉好きのクレハも心を踊らせている。
王宮に戻ると、フィップと黒芒がまだ飲んでた。
この世界の奴等は酒の限界知らないのか?
リリリも馬鹿みたいに飲んでたし。
「お、帰ってきたか? お嬢、ご機嫌だな」
「うるさいのです/// この酔っぱらいピンク! 本当に一体何本空けたのですか?」
「すっかり〝千妖〟と話し込んじまって気づいたらこんなに飲んでた。何本空けたかはあたしも分からん」
「黒芒お前も飲みすぎだ。全く……」
「おう、主様よ。肉が焼けてるそうじゃぞ。妾も食べたい。早よ席に着けい」
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