第717話 アーデルハイト王国18
「? オムライス嫌いなのですか? ここではタバスコでハートを書いて貰えるのですよ」
「いや、嫌いじゃねぇが。軽いトラウマがな……」
怒った理沙に朝食でケチャップで〝風邪〟と書かれたすこぶる小さなトラウマがなー。
まあ、美味かったんだけどさ。
「て、ちょっと待て、あのハートの文字ってタバスコなのか!?」
「通常はケチャップなのです。でも、言えばタバスコに変えて貰えるのですよ」
辛い物の布教活動も熱心に行うアリスちゃんお姫様は「お前もタバスコにしますか!」と、嬉しそうに聞いてくる。
「俺はケチャップ派だ。悪いな」
「ノリの悪い奴なのです。まあよいのですよ。小腹が空きました。何か食べて行きましょう。オムライスぐらいが今の空きっ腹には丁度良いのです」
と『席に行け』と肩車中のアリスが言うので席に着くと、メイドがここぞとばかりのタイミングでアリスの椅子を持ってくる。間違いないプロだ。
肩からもぞもぞと降りるアリスと、後からちゃんと付いてきてくれたクレハと桜も席に着き「お前達もオムライスでいいのですか?」とのアリスの質問に俺を含む三者が頷くのを確認すると「オムライス4つなのです」と、アリスが注文を済ませた。
まさか、異世界でメイド喫茶に来ることになるとは人生本当に何があるか分からないね。
「旦那様、お嬢様方、お飲み物はいかがなさいますか?」
さっきのプロメイドが尋ねて来る。
「俺は水でいい」
「あ、私もお水で」
「トウガラシティーなのです」
「オレンジジュースをお願いします」
おい、アリス! お前はトウガラシティーでタバスコでハートの文字を書いたオムライスを食すのか?
もう尊敬だよ。尊敬するよ……
「かしこまりました」
つーか、え? あるの? トウガラシティー!?
メイド喫茶にそんな罰ゲームチックな物を置いてあっていいのか? タバスコ文字もだけど!
あー、もういいや。
この国はアリス仕様なんだな。
もう俺は唐辛子祭りなんかもあっても驚かないぞ!
「そうです。クルッテル。明日の祭りはお前も参加してくれますか?」
「え? 祭り? 俺たちの歓迎会がどうのの奴か?」
ちょい考えていたこととタイムリーなので素で返事を返してしまう。
「それもですが、明日は辛い物祭・唐辛子祭りなのです」
「ほら、やっぱり!!」
「まあ、もとい私の誕生日なのです。国の奴らが私の好きな辛い食べ物を集めてくれるので私の誕生会は別名・辛い物祭、すなわち唐辛子祭りなのです」
「誕生日か、むしろ俺が邪魔しちまっていいのか?」
「私はお前達にむしろ来いと言ってるのです。言って置きますが、プレゼントなど持ってこなくてよいのですからね。本当に来てくれるだけで嬉しいのです」
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