第714話 アーデルハイト王国15
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唐辛子でも買ってやろうかと思ったが、既にアリスは爆弾唐辛子の袋詰めと唐辛子串を持っているので止めといた。
つーか、アリスまた唐辛子(今回は焼き串だけど)俺の頭の上でもぐもぐ食べてるし。てか、アリス以外に唐辛子串を買う奴いるのか?
「ネギマ美味かったなー。帰りにまた買おうかな」
「他にも特産品は沢山あるのですよ」
「そりゃ楽しみだ」
それにしても注目を浴びてるな。特にアリスが脚光を浴びている。まあ有名人だもんな。アリス。
俺たちの列に合わせて道ができている。
本当に町ぶらロケの芸能人にでもなった気分だよ。皆、アリス様、アリス様とか言って手を振ってくるし、でもアリスはちゃんと手を振り返してるんだよな。
「あ、クルッテル。あの店に行くのです」
「ん? 何だあの店は? パン屋か?」
「今日は月1の唐辛子サンドの日なのです♪」
ルンルンのアリスちゃんと「「唐辛子サンド……」」と、若干引き気味のクレハと桜だがクレハは「はっ! ダメダメ、お友達の好きな食べ物を否定しちゃ! 唐辛子だって大切な食べ物だよ!」と、自分に渇を入れている。
「あの、ユキマ……じゃなかった。クルッテルさん、私もパン買ってもいいですか……?」
「おぉ、買え買え、桜から言い出す何て珍しいな」
少しずつ、少しずつ、仲が深まっていくような感覚に俺は嬉しくなる。知ってるか? ねだられると嬉しくなっちゃう人間もいるんだぜ。親父がそうだったな。俺や理沙にねだられると直ぐ買うし、まあ理沙も滅多なことじゃねだらなかったけどな。
「す、すいません。私パン好きなんです」
「前も聞いたな。アリスも然り、好きな食べ物があるってのはいいことだぜ。な、アリス」
唐辛子串を俺の頭の上で幸せそうに食べていたアリスにそう言うとご機嫌な声で、
「勿論なのです。私は布教も楽しみにしてるのです」
との、お声が帰ってきた。
「布教はいいが俺以外に湯飲みやら何やらに唐辛子ぶちこむなよ? あれは布教じゃなくてテロだからな」
「……むう。私の唐辛子が食べられないのですか!」
「食えない奴は食えねぇよ」
「……確かに押し付けはよくなかったのです。私のようにほうれん草が嫌いな者もいれば、世の中には逆にほうれん草が好きな者もいるのですから」
お利口なアリスちゃんはしっかり反省のできるいい子らしい。ジャンサンタさんとフィップサンタさんはクリスマスにはプレゼントを贈ってあげろよ。
まあ、異世界にクリスマスがあるかは知らないけど。
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