第713話 アーデルハイト王国14
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「ジャン、お前は本当に要らないのか? 職務中でも飯食うことぐらいあるだろ? 俺たちもアリスも気にしないぜ?」
「なんのなんの。お気持ちだけで十分でございます。自分への褒美と言いますか、職務が終わってからの食事とお酒が私は大好きなのでございます。夜まで屋台はやっておりますので今日の晩酌ではネギマを食べたいと心から思ってます」
「まあ、お前がそれでいいならいいさ。労働後の晩酌ってのが乙なのも知ってるしな」
焼きたてのネギマは1本銅貨2枚した。
日本円にすると200円か。物価高いのかな?
「行儀が悪いかもだが食いながら行こうぜ」
にしても食ってばっかだなー。異世界生活。
1本銅貨2枚の焼き鳥の肉部分を食べる。
うん、まあ、美味い。コンビニは超えたな。
次にネギを食べると、
「!!」
「どうしたのです? クルッテル。まさか喉に詰まらせたのでは無いでしょうね?」
「う……」
「「「「う?」」」」
「美味い! 何だこのネギは!?」
「ふふん♪ それは三角ネギなのです。ウチの国の特産品なのですよ?」
「あ、三角ネギなんだ! あれ美味しいよね。ネギなのに辛くないし甘味が強いんだ」
クレハが納得したように言う。
「三角ネギって三角の状態で取れるのか」
「そうなのです。そのまんまのネギです」
ひえー。長ネギしか知らない俺には軽いカルチャーショックだな。
「そういや、こないだカタコトだが喋るニワトリをみたんだがあれが大鶏か?」
「喋るニワトリ? 何を言ってるのです。クルッテル? 鳥は人語を喋らないのですよ」
バカなのですか。と、アリスは溜め息を漏らす。
「いや、本当なんだって。マチョとかキンニクとか言って太陽に向かって羽ばたいていった」
「……ニワトリは空を飛べない鳥なのですよ?」
「本当にみたんだって! ああ、クソ、ここにフォルタニアがいれば証明してくれたのにな」
すると訝しげにジャンが口を開いた。
「そういえば聞いたことがあります。時折、目撃される空飛ぶ喋るカタコトに人語を話すニワトリが」
「まさにそれだ! で、何なんだそれは?」
「大変珍しい鳥です。姿形はニワトリと区別がつかないほど酷似しており、希少度で言うと鳳凰級でございます。後、見ると幸せになれると言われています」
「へぇ、見ると幸せになれるねぇ? 危ねぇ、危ねぇ、そんな鳥を捕まえて食う所だった」
「お前の頭の中は食うことしかないのですか?」
「ニワトリは食うだろ普通」
「むぅ、まあ今のは質問した私がバカだったのです」
あれ、意外と素直だな。
唐辛子でも買ってやるか。
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