第712話 アーデルハイト王国13
「へぇ、食べ物のイイ匂いがするな。この屋台通りに行ってみてもいいか?」
「お前の為の国案内なのです。好きな所に行くといいのです。後、解説は任せるのです」
残りの爆弾唐辛子をアリスは〝アイテムストレージ〟に仕舞い相変わらず俺に肩車されながら言う。
出店はどの店も活気だっている。
しかもどの店も美味そうだ。
「お、トルティーヤが売ってるな。買っていいか?」
「好きにするのです。私の許可は必要ないのですよ」
トルティーヤとはトウモロコシや小麦粉から作った生地に肉や野菜を巻いた臼生地のパンみたいな物だ。意外とコンビニとかで売ってたりする。フレンドマートとかでな。
アリスたちに食べるか聞いたが、アリスは辛くないから要らない。クレハはもう少し回ってから決める。桜は食べたい。ジャンは職務中なのでパスとのことなので、パン大好き桜ちゃんと俺はトルティーヤを食べる。代金を払おうとするとジャンが「ここは私共に」と、言われたが流石に丁重にお断りした。
「食事代も気にすること無いのですよ。お前たちは客なので私たちが出すのです」
「それこそ税金の無駄だ。気持ちは嬉しいが自分の食い物代ぐらいは払える。ありがとな」
「私はお前への恩を少しでも返したいのですが、国民の税金からと言われると耳が痛いのです」
「恩に着せる気は無いから気にすんな。そんなことよりネギマだ! 焼き鳥売ってるぞ!」
焼き鳥のネギマとはどうしてこんなにも心が踊るのだろう。
……と、昔、親父が言ってたな。
『鳥が主役の筈の焼き鳥の鶏肉と鶏肉の間に挟まれた白と緑の野菜を体が自然と求めてしまう。
とはいえ、ネギだけじゃダメなんだ、鶏肉に挟まれたネギこそが至高。それがネギマだ』とか言ってた。
「あ、焼き鳥、私も一本食べたいかも」
「いいねぇ、クレ……じゃなくて、ヤンデル」
危うくクレハと呼びそうになった俺にアリスが「ボロを出すのでないです」と、ポコリと小さな優しい拳骨が俺の頭に降り注いだ。
「私は唐辛子焼きを一本、桜はどうするのです?」
「じゃあ私も一本いただきます。あ、唐辛子以外で」
「待て、焼き鳥の屋台に唐辛子なんて……」
あるし! 赤と緑の唐辛子が交互に串に刺された唐辛子焼き何てもんがそこにあった。
この店、絶対アリスの為に唐辛子用意してるだろ!
「俺はネギマだ。ネギマは平和の象徴なんだ」
「クルッテル君、またおかしなこと考えてるでしょ。まあ、でも折角だし私もネギマにしようかな」
「わ、私もネギマでお願いします!」
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