第710話 アーデルハイト王国11
突然現れた(ようにみえた)アリスにメイドたちはプチパニックどころかキャー、キャー! と、黄色というよりはピンク色の歓声を挙げる。
「アリスお嬢様、お出掛けですか?」
「今日はい天気ですよ」
「唐辛子も沢山おやつに用意しておきますね」
「アリス様は今日もお可愛らしい」
皆、アリスが本当に心から大好きって感じでうっとりしている。アリス大人気だなー。
「こいつらにウチの国を見せてやるのです♪」
どうやらこの国ではそもそも俺の指名手配書を貼ってないらしいので、久しぶりの人の往来がある場所で素顔丸出しの俺の顔をみても誰も不振がら無かった「はじめまして。お客様方々、ゆっくりしていって下さいませ」と、頭まで下げられたよ。
*
王宮の外に出るとアリスが〝アイテムストレージ〟に熊のぬいぐるみのリッチを仕舞った。
するとアリスは……
よじよじと俺の和服をつかみ肩まで登ってきた。
「おい、何だよ? 肩車か?」
「お前は見晴らしが良いのです」
肩車は散々孤児院のチビ共にせがまれたっけ。そう考えるとまたわまだお子様だなアリスも。本人に言ったら折角のご機嫌が悪くなりそうだし言わないけど。
「そーいや、お前も〝アイテムストレージ〟のスキルを持ってるんだったな。大とか中とかあるらしいがお前のは何なんだ?」
「私のは小なのです。収納数も5が限界なのです」
「そうなのか? ちなみに中はどれぐらいなんだ?」
「中は人にもよりますが平均で100は収納できると思いますよ。ちなみに何処かのクルッテルみたく〝アイテムストレージ(大)〟は小と中とは比較にならないぐらいの収納数なのですよ? おまけに仕舞った食料も腐らないとはどれほどクルッテルなのですか」
うーん、確かにバカスカと俺は〝アイテムストレージ(大)〟に本当にいろんな物を入れてるが、特に底は知れないな。
「アリス様!」「アリス様!」「アリスお嬢様ぁ!」「キャー、アリスお嬢様ー!」「オー、愛しき、マイエンジェル」と四方八方から兵士やメイドたちに声をかけられながら歩くこと十数分。漸く王宮の外に出た。マイエンジェルとか言ってた怪しい奴は俺が蹴り飛ばしておいたが「オーマイガー! ユア、ブラックデビル!」と、睨まれたから〝魔力銃〟で追撃しようかと思ったけどアリスを肩車してたから止めました。当のアリスは「たまにああいう輩もいるのですが、危険と判断したらフィップがいつも何とかするのです」と、言ってた。
フィップにフルボッコだろうな。命があればラッキーってレベルだろう。
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