第707話 アーデルハイト王国8
にしても渾名か。あまり付けられたこと無いな。
二つ名ともまた違うだろうし。
ノアには白娘って渾名を俺が付けたけど。
理沙は友達にはすりーって呼ばれてたな。花蓮理沙だから、はなはすりを伸ばして、はすりー。安直だよな。
俺はどんな渾名になるんだか……稗月だからヅッキーとかそんな簡単な感じだろうか。ハハ、安直過ぎか。
「私が渾名を付けてやるのです。お前たちはこれからヤンデルとクルッテルなのです」
ぶっ!
予想の斜め上過ぎて飲んでた緑茶を軽く吹く。
「あははは、それはよい。アリスと言おうたな。中々にセンスがあるぞ。ぷくく……」
「流石はあたしのお嬢だ。毎日退屈しねぇよ。あー、ダメだ腹痛ぇ……」
ツボに入ったのか、爆笑する黒芒とフィップは既に赤ワインを飲んでいる。
「おい、アリス、ちなみにどっちがどっちだ!」
「? ヤンデルとクルッテルなのです」
クレハを指差しヤンデルと、俺を指差しクルッテルとアリスは言った。
「誰がクルッテルだって? いや、ヤンデルよりいいか」
「ちょっと待ってアリスちゃん、私ヤンデルなの? まあ、ユキマサ君と比べられてクルッテルよりいいけど」
「おい、クレハそれはどういう意味だ?」
「だってユキマサ君、色々クルッテルじゃん、魔法とか魔力とか! でも、待って、何で私ヤンデルなの」
うわ~ん! と、悲鳴にも似た声を挙げるクレハ。
「ははは、よいではないか。クレハ、そなたは主様のことになるとヤンデレの素質があると妾は見てるぞ。桜にも聞いてみるとよい。のう、ピッタリじゃろ桜」
「な、何で私に振るんですか! 答えづらいです!」
「桜ちゃん……それ答え言ってるようなものだよ? いーもん。どうせ私はヤンデルでヤンデレですよーだ」
おいクレハが拗ねちゃったじゃねぇか。
どうすんだよ? と、アリスに耳打ちすると、
「肉でも来れば少しは機嫌が直るでしょう。そもそも、これは元を辿ればお前のせいなのですよ?」
ぐうの音も出ない正論が返ってきた。
「あー、うん、それは本当にごめんなさい」
俺がクレハを拐う何て言わなければよかった話だもんな。いや、でも拐ったことにしないと色々とまた面倒なことになってたワケで……
あー、もう後の祭りだ。
開き直るしかない。
でも、結果的に仲間に大きな怪我も死人も出て無いんだ、結果オーライと考えていいだろう。
そんなことを考えてたら「元気を出すのです」と、アリスが俺の緑茶に爆弾唐辛子を入れて来やがったので俺は更に頭を抱え、ヤケクソで丸ごと唐辛子入り緑茶を一気。辛ぇ、俺がなにしたってんだよ。
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