第705話 アーデルハイト王国6
王族の、しかも王位継承権1位のアリスを呼び捨てにし何となくホンの少しだけアリスと似ている雰囲気というか、血の繋がりを感じるこの男性は。
「おじおじ、今日は私の客なのです。出番はないのですよ」
「いやいやそうはいかない。ジャンから聞いてるよ。すごくお世話になったそうじゃないか、私からもお礼を伝えねば」
「……ふむ。トウガラシティーを飲み終わるまでなら待ってやるのです」
「ありがとう。お、ほん! それでは皆さん、失礼した。私は現国王代理ゴア・ハイルデートです。アリスの叔父に当たる者です。よろしくお願いします」
王族らしからぬ丁寧だが威張らない親しみやすい優しく挨拶をするゴア国王代理。
「俺はユ──
「ユキマサ君だね。あ、いや〝魔王討伐〟の英雄にたかが一国の王様代理が君付けじゃ失礼か、申し訳ない。後、アリスを助けてくれて本当にありがとうございました。ユキマサさん」
「君付けというか、呼び捨てでいいんだがな。仲良くしようぜ、国王代理。後、そっちのセミロングがクレハでロングが桜、もう一人のロングの真っ白な肌の奴が黒芒だ」
何度も自己紹介に時間を取っても仕方ないので俺が全員を紹介する。クレハと桜は立ち上がり「「よろしくお願いします」」と、言っているが、黒芒は座ったまま「よろしくのう」と、王族に上から目線だ。流石は千年前に〝最高貴族〟をほふった黒芒様だよ。
まあ、俺もタメ口の上から目線だけど。ごめんなさいね。親の教育はよかったよ。それ以上に俺がひねくれてるだけ。
「失礼します。料理長のゴンザを連れて参りました」
ジャンが連れてきたのは調理服に身を包んだ30代ぐらいのゴツい男性。筋肉もボディビルダー並みにあるよ。ただでさえ筋肉の質が元いた世界とは違うこの世界でこの筋肉だ、水満タンの寸胴ぐらいなら片手で運べちゃうんじゃないのか? 余裕で。
「はじめまして、料理長のゴンザと申します」
「俺はユキマサだ。さてゴンザ料理長。単刀直入に問いたい。骨付き肉は作れるか?」
時が止まる。スキルじゃないぞ。比喩だ。
「ほ、骨付き肉とは? 肉に骨があるのは当たり前では無いのですか?」
「いい質問だ。実はな──」
俺は一から十までゴンザに骨付き肉の形や食べ方等を説明した。その間にフィップが帰ってきて「何やってんだよ。お嬢が退屈してるだろ」と、言われたが無視した。ちなみにアリスは「面白いバカは見てて楽しいのです」と、フォロー(?)を入れてくれた。
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