第704話 アーデルハイト王国5
「ああ、もう! あの〝千妖〟から、金なんて取れるか! 今日はあたしの奢りだ。直ぐに酒を持ってくる。千妖、赤ワインだがいいか?」
「うむ、馳走になる。そうじゃ、主様、赤ワインには肉が合うと聞いたことがあるのう?」
チラ、チラ、黒芒はおねだりモードで俺を見てくる。
「……ったく、まあいいか。そーいや、ポーポマンモスが、手付かずで〝アイテムストレージ〟にあったな」
ポーポマンモス。そうマンモスだ!
さてここでQだ。マンモスで作る肉とは?
是非もない。骨付き肉だ! そう別名・漫画肉!
「おい、アリス。シェフを呼んでくれ。確認したいことがある」
「? まあ、いいのです。ジャン、直ぐにゴンザを呼んでくるのです」
「かしこまりました。しばしのお待ちを」
残像を残した後、消えるようにジャンはこの場を去った。
続けてフィップも赤ワインを持ちに消える。
王宮の中だけど、アリスちゃん王女様ろくな護衛無しで指名手配犯と一緒にいるけど大丈夫なの?
まあ、信頼されてるって受け取るか。
メイドが持ってきた飲み物をいただきながら、一息つく。クレハも桜も「あ、美味しい」「オレンジ、絞りたてです。美味しい」と、キャッキャウフフ。
なのは、いいんだが、問題はアリスだ。高そうなコップに入った赤い液体(紅茶かな?)にテーブルに置いてあったこれまた高そうな容器から赤い粉を一すくい、二すくい。
あれ? 紅茶に赤い粉何て入れる習慣あったかな? 普通なら砂糖とかミルクとかだよな。
続いてポケットから取り出した、赤い木の実を赤い飲み物にプカプカ浮かべ始めた。
極めつけはマドラーのごとくクルクルと混ぜる何か。
「って、何かじゃねぇよ! 全部唐辛子じゃん! 何だよその飲み物! 真っ赤じゃねぇか!」
何で唐辛子をマドラーにしてるんだよ。どんだけ唐辛子好きなんだ……
あー、もうちゃんと無駄にしないようにマドラーにした唐辛子をもぐもぐ食べてるし!
「? 〝トウガラシティー〟なのです。お前も飲むのですか? 唐辛子は好きに入れるのです」
音を立てずに〝トウガラシティー〟なる飲み物(?)を優雅に飲むアリスはメイドたちの反応を見るにいつもの光景らしい。
「いや、俺は緑茶でいい」
「むー、美味しさが分からないのですね。飲まず嫌いはよくないのです」
「緑茶でいい」
大事なことなので二回言っといた。
するとメイド立ちが少しざわつく。
「アリス、お客人が来てるそうだね」
見た目は50代ぐらいだろうか。高そうな如何にも王族と言った風貌の黒い少し長めの髪の毛をキッチリオールバックにした男性が現れた。
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