第701話 アーデルハイト王国2
「ジャン、何を言ってるのですか! 別に仲良くなりたいワケじゃないのです! わ、私にだって友達ぐらいいるのですからね!」
わたわた、あせあせ、ぷんすこ。
分かりやすいなー。このゴスロリ幼女。
「ほう、では、ご友人は何人いるので?」
少し考えた様子のあとアリスちゃん王女様は小さな手の小さな親指をゆっくりと曲げながら口を開く。
「……レヴィニア」
「そうですな。では、次は?」
アリスが小さな人差し指を曲げる。
「……ユキマサ」
お、俺の名が出たぞ!
やべ、ちょっと、いやかなり嬉しい!
「ふむふむ、ではお次は?」
「……」
「お嬢様?」
「…………」
「では、終了と言うことで」
「ジャン、友達は量ではなく質なのです!」
ごめん。アリス……お前が二人目に名前を挙げてくれた友達は金貨一万枚の賞金首なんだ……
質的には最悪の部類だろう。
「では、このお二方も質の高いご友人になってくれるとこの老骨は考えますが、いかがですかな? お嬢様とユキマサ殿のお連れのお二方」
「お前は毎回毎回に回りくどいのです。私とそいつらの仲を取り持ったつもりなら失敗なのですよ? こんなやり方で友達はできないのです……」
「あ、あの、アリスさん?」
「アリスでいいのです」
「じゃあアリスちゃん! まだダメ、これ以上は」
「まあ、ちゃんも一興ですね。で、何なのです?」
「私たちと友達になってください!」
勇気を決したようにクレハが言った。桜も「私からも失礼でなければお願いします」と言っている。
アリスはビックリしたような顔をした後に、
「言った言葉は取り消せないのですよ?」
顔を赤くし熊のぬいぐるみをぎゅってした。
「おい、お前らが友達になるのは賛成だが……」
「えっと、だが、どうしたの?」
「まずは名乗れよ。クレハ、桜」
あ……と、二人は顔を見合わせた。
アリスは有名だからこっちは知ってるが、アリスから見れば、二人とも髪の黒い可愛いお姉ちゃんだ。
「あ、ご、ごめんね。私はクレハ。クレハ・アートハイムです。よろしくね、アリスちゃん!」
「私は時伽桜です。よろしくお願いします。えーと、あ、アリスちゃん!」
二人とも少しかがみアリスと目を合わせながら自己紹介をする。桜はまだ王族にビビってるな。
「アリス・アーデルハイトなのです。好き食べ物は辛いもので、嫌いな食べ物はほうれん草なのです。よろしくお願いするのです」
ほうれん草が嫌いなアリスちゃんは少し恥ずかしそうに熊のぬいぐるみに顔を埋めて自己紹介をする。そんな姿にクレハと桜は「可愛い!」「凄い可愛いです!」と、興奮気味だった。
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