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第690話 魔女の家32



 俺もつまみを食べながら飲みつつ、ふとリリリに問いかけてみた。


「そーいや、リリリ、お前〝嘘つき魔女〟とか呼ばれてたが、あれはなんだ? お前が嘘つきには俺には到底見えねぇが?」


 俺はハムを口に運ぶ。丁度いい塩加減だ。


「ああ、あれね。あれは私の自業自得よ。私には〝未来予言(プロペティア)〟って、言う。未来予知のスキルがあってね。一時期、占い師をやってたの」

「外したのか? その予言とやらを」

「半分正解、半分外れ。私の予言は〝死期予言〟その人の寿()()。ある意味、余命宣告ね。怒る者、泣き出す者、呆ける者。反応はそれぞれだったわ。病気はどうしようも無いけど、事故や他殺。それならば時期が分かっていれば防げる」


 一口、リリリは酒を口に運んだ。


「私からみればたたでさえ短い寿命の者を見捨てるのは少し寂しくてね。少しだけ()()()をしたの。魔物に殺される筈だった者を、先に私が魔物を倒して予言を回避して延命したりとかね。経緯はどうであれ結果は私の予言は外れた事になる。それが私が嘘つき魔女と呼ばれる由縁」

「何でだよ。お前が助けたんだろ? そんな言われ方は無いだろ。むしろ、称賛されるべきの筈だ」

「気づかれないようにやってたから誰も私の仕業だと知らないのよ。別にお礼が欲しいワケじゃないし」


 もぐもぐと俺と同じくハムを食べながら話すリリリ。……てか、こいつバカ不器用なー。


「なあ、リリリ、お前も俺たちと来るか?」

「貴方たちと? さっきニールスにも勧誘してたけど、人手不足なの? それとも気まぐれ?」

「ニールスは半分冗談だったが、別に気まぐれで仲間を誘ったりしない」


 ニールスは絶対に乗ってこないのは分かってたしな。リリリは結構ガチで勧誘してる。黒芒とも仲がいいしな。後は理由をつけるなら可愛いし。なんてな。


「ありがとう。貴方たちと旅が出来たらきっと楽しいでしょうね。こんな毎日が少しでも続くのなら」

「お、なら、来るか?」

「妾も歓迎するぞ!」


 黒芒も乗り気だ。五人目の仲間か。

 ベッドも増やさなきゃかな。


「でも、今回は止めておくわ。ごめんなさいね。行きたくないワケじゃないの。私は見届けなければイケない。あの子の魔法を」


 そう言うとリリリは満開に咲き誇る〝千年桜〟を見上げた。

 その顔の決意は固そうだ。

 あちゃー、仲間に欲しかったんだがな。超残念。


「そうか、まあ、気が向いたらいつでも来てくれ」

「ええ、ありがとう」

「なんじゃ、つまらんのう」


 黒芒だけは最後までムスりとしてた。

 リリリの仲間入りが本当に惜しかったんだろう。


 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想、いいねをいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!

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