第684話 魔女の家26
「私からみれば異世界のサラダになるのかしら? じゃあ、私はチョレギそのサラダを貰うわ」
「はいよ。量はお好みで調整してくれ」
で、問題は……
「妾は野菜は要らぬ。肉だけでよい」
予想通り、野菜を一切摂らない黒芒だ。
「おい、黒芒、野菜も食え、野菜!」
「妾は野菜を必要とはせぬ」
まあ、思った通りの返事だ。
だが、俺にはちょっとした秘策がある。
「いいのか、黒芒、これは桜が作ったんだぜ?」
それまで野菜に一切興味を持っていなかった黒芒が初めて野菜に目をやった。
「なんと、桜が作ってくれたのか?」
「あ、はい。美味しくできたか分かりませんが……一生懸命、洗って、切って、盛り付けました……!」
「うむ、しかし野菜か……肉ならば即食いじゃったが」
どうやら野菜が苦手ならしい黒芒だが、娘のように可愛がってる桜が作ったと言うことで悩んでいる。
「あ、いえ、黒芒さん、嫌な物は無理しなくても……わ、私自分で食べますから」
「……いや、貰おうか。リリリの食の話を聞いた後に食べ物を残しても格好もつかんしの」
え? 食うの!? あの黒芒が野菜を!
ドラえまんがネズミ食べるぐらい驚きだぞ!
く、これが押してダメなら引くって奴か……
桜先生め、高度な技を素で使ってきやがる……
「主様、妾もチョレギで頼むぞ」
「おう、たらふく食べな」
と、黒芒の分を皿に移し、自家製チョレギドレッシングをかける。
「ユキマサ、私も野菜に呼ばれてもいいか?」
「勿論だ。ニールス、何かける?」
「マヨネーズを持参してる。私はマヨラーなのだ」
よく見ると肉にもマヨネーズをかけた形跡があるぞ。つーか、このイケジ。イケメン、異世界転生、神様経由、準勇者、マヨラーって、キャラ立ちし過ぎじゃない? 別にいいけどさ。
そんなニールスには野菜だけ盛り渡してやる。
気の利く桜ちゃんはその間に俺とクレハと自分の分の野菜を盛り付けてくれていた。
つーか、盛り付けも俺じゃなくて桜のが良かったか。悪いな黒芒。これから気を付けるから許せ。
桜とクレハもチョレギで俺だけシーザーとなった。
「桜、おかわりをくれ」
!! 見ると、もうチョレギサラダを平らげ、おかわりを要求する黒芒の姿があった。
え? 気に入ったの?
「あ、はい。直ぐに盛り付けますね」
嬉しかったのか桜の横顔からは「♪」と、した表情が見える。
「美味かったか?」
「驚いたの、野菜とはこれ程新鮮で美味なんじゃの」
「まあ、気に入ってくれたなら良かったよ」
余談だが、俺の使った野菜は購入時に回復魔法を野菜に使うことで朝採りのようなフレッシュな野菜になっており〝アイテムストレージ〟に仕舞ってあったので状態は最高品質の野菜だ。
これで街の宿屋で食事を摂る時に野菜を頼んだら黒芒がどんな反応するか見物だなー。
つーか、その違いに気付いてくれると嬉しい。
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