第683話 魔女の家25
「あの、ユキマサさん、本当に色々とありがとうございます」
一度、野菜を切る手を止め、ペコリと綺麗にお辞儀をして来た。
「ん? どういたしまして。でいいのか? つーか、そんなに気を使わなくていいぞ」
「そうは言われましても……言ってしまえば私はお荷物ではないですか? クレハお姉さんみたいに〝空間移動〟が使えるワケでも、黒芒さんみたいに強いワケでもありませんし……私はごはん代ばかりかかってます」
そうか、桜は桜なりに負い目を感じていたんだな。
「桜がどう思ってるかは大体分かったが、俺はお前を仲間にすると決めた。役に立つ、役に立たないの問題じゃない。強いて理由を付けるなら側にいろっていってんだよ。まあ、一人立ち出来るまでは衣食住は保証する。つーか、逆に聞くぞ。俺の行く道は魔王討伐だ。危ないこともある、それでも着いてくるか?」
「はい。ご迷惑でなければですが……」
「決まりだ。危険があると言ったが、俺が絶対に守ってやるから、ま、何も心配はすんな。桜、お前は今は休息が必要だ。長い長いな。だから俺に気を使うな」
たった一晩で祖父母の家族の命を奪われたんだ。桜の精神は限界だろう。後は時間に任せるしか無い。
こればかりは人によるけどな。時間が経つに連れて大切な人の死を受け入れていける者もいれば、一生引きずり続けてしまう者もいる。
「すいません。ありがとうございます。私、ユキマサさんに出会えて……その……本当に嬉しいです……///」
桜の頬が赤くなっていた。
こいつも本当に美少女だよな。
「俺も嬉しいよ。あ、ほら、手が止まってるぜ? 肉はもう焼ける。サラダもパッパと作っちまおう。つーか、今日こそ黒芒に野菜を食わすぞ! 肉と酒しか接種しないからな、あの〝幻霊種〟は!」
「はい。頑張ります!」
*
外のテーブルに戻るとクレハとリリリが何やら楽しげに話していた。内容までは聞き取れないが、あれ? リリリがクスクス笑ってるぞ!?
流石はコミュ力お化けのクレハだ。この短時間で何があったんだよ! 距離縮まり過ぎだろ。
「黒芒、リリリ、おかわりが焼けたぞ。後サラダ」
焼きたての肉1kgずつを二人の前に置く。
「すまんのう、主様、実に美味そうじゃ」
「ありがとう。いただくわね」
「おう、てかお前らサラダも食えよ? 野菜だ野菜」
するとリリリは「ドレッシングはある?」と、聞いてきたので「シーザーとチョレギがある」そう返すと「チョレギ?」と、リリリは首を傾げた。
ああ、この世界にはチョレギドレッシング無かったんだよな。
だからチョレギドレッシングは俺の手製だ。
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