第682話 魔女の家24
「ハハ! 一瞬で外だ。満開の桜も魔法もGJだ!」
大きい桜の木だなー。
まあ、樹齢的には御神木だよ。
「なあ、ニールス。これは親父の請け負いだが、辛いことも、怖いことも、きっと沢山あるが、楽しいこともきっと沢山ある。今この時を幸せと言えるのならば例え死んだとしても、そう悪くないんじゃないか?」
俺の言葉にニールスは不思議な話だと顔をした後に「わはは!」と声を挙げて笑った。
「私のが何倍も歳を取ってるのにキミの方が大人な考え方をするな。その通りだ。私は今が幸せだ!」
何だか嫁に会いたくなってきた。と惚気るニールスに「何だ、もう帰るのか?」と、聞くと「いや、まだいる。キミと話す時間も貴重そうだ」と、席についた。いや、そこは奥さんでいいんじゃないの?
まあ、土産話ぐらいは持たせてやるか。
「主様、おかわりを頼んでよいか?」
「あら、私も同じことを頼もうとしてたわ」
ちょ、コイツら、もう1kg食ったのか?
二人ともバクバクと食べず、行儀よく食べる二人だから、時間かかると思ったんだがな……
余程、さっきの俺とニールスの会話に興味が無いと見える。その間に食べたのだろう。
同じ1kgのクレハはまだ半分以上ある。まあ、クレハは大事そうにゆっくり食べてるけど。
「分かった、分かった。量と焼き加減は?」
「さっきと同じでよい」
「私もよ。悪いわね」
というワケで、俺は桜をホドホドに家に逆戻り。
〝アイテムストレージ〟から大猪の肉を出し、筋切りしていると、
「あの、ユキマサさん。私も手伝います」
桜がやって来た。
「どうした桜。お腹一杯か?」
「いえ、そう言うワケでは無いんですけど、少しユキマサさんとお話がしたくて。料理をしながら少し話せませんか?」
「おう、大歓迎だ。じゃあ、肉の筋切りは俺がやるから肉に塩を振ってくれ。ついでにサラダも作ろう。手伝ってくれるか?」
「はい、任せてください」
そんな流れで珍しく俺と桜の二人で異世界クッキングとなった。
*
俺が肉を焼き、桜がサラダを作る。野菜は勿論〝アイテムストレージ〟から出した。
桜はムーンレタス、クリムゾントマト、スマートキュウリを丁寧に洗い、トントンと手慣れた手付きでそれらを切っていく。
家でも、こうやって手伝ってたんだろうな。病気の祖母を看病してたクレハとは、また違った形で孝行をして身に付けた感じだ。
メモリアルリング、早く作ってやらないとな。
一秒でも早く、桜の元へ帰してやりたい。
そんなことを考えながら俺は大猪の肉を焼いた。
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