第681話 魔女の家23
「まさか〝状態異常耐性(極)〟を持っているのか!?」
ガバッと、ニールスは興奮したように立ち上がった。あれ……何か不味かったか?
でも、今さら嘘を言うわけにもいかないので。
「ああ、持ってる」
そう言うとニールスはまた目を見開き、
「それは他言し無い方がいい。特に男性はな。まあ、人によってはイイ思いができると羽目をはずす奴もいるかも知れないが、キミはそのタイプではあるまい。ちなみにだが理由は分かるか?」
少し落ち着きを取り戻した様子で席に座った。
確か酔った親父が昔話してたな。
男性だけは、所謂、あれな行為で、自分のある体液を異性に与えることで、相手も不老になるとか。
だから婆ちゃんも母さんも非異世界人ながら、不老を手にし、見た目が若いままだったのだ。
「あー、うん。口を滑らせた親父から聞いてる」
「ならいい。それを目当てに迫ってくるものもいるだろう。不老とは人類の憧れだからな」
「ちなみに〝状態異常耐性(大)〟もそうなのか?」
「いや、特定の行為で相手に移せるのは〝状態異常耐性(極)〟のみだ〝状態異常耐性(大)〟は己のみに作用する。にしても〝状態異常耐性(極)〟は歴史でも数人、下手をしたら〝幻霊種〟より少ないぞ。キミは色々とチートのようだ」
「最近よく言われるなチートってな。神様にも言われたよ」
と、そこに今まで黙ってた桜が、
「特定の行為って何ですか?」
無邪気な不思議そうな顔で問いかけてきた。
「あ、私も気になるかも」
クレハまで乗ってくる。オイ、ギルド騎士の学科主席。お前は知ってそうだったんだがな。
でも、目をみるに本当に知らないらしく〝聞きたい〟と顔に書いてある。
「今度気が向いたら話してやるよ。ニールスお前も黙ってろよ」
「善処しよう」
頷くニールスと「もー、いーもん、自分で調べるから〝大都市エルクステン〟のギルドの図書館は人類でもトップスリーに入るんだからね。ねー、桜ちゃん」と、クレハは可愛らしく頬を膨らましている。
「ねぇ、少し外に出てもいいかしら? 桜を見ながら飲みたいわ」
俺とニールスのやり取りに興味がなさそうにしていたリリリがそんなことを言い始める。
「よいの、妾は賛成じゃ。昼の桜とは何と懐かしい」
バカみたいに黙って飲んでた黒芒もそれに乗る。
「じゃあ、決まりね。テーブルと椅子は私が運ぶわ、そのままでいなさい」
またリリリが「♪」と、杖を振るうと、俺たちが座ったままテーブルと椅子が浮き上がり、外へと移動する。いいねぇ、実に異世界チックだ。魔法万歳!
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