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第675話 魔女の家17



 *


 結論から言おう、魔王イヴリスは来なかった。

 よかった、よかった。

 リリリの大切な家に迷惑かける所だったぜ。


 〝水の結晶(アクアクリュスタル)〟は台所に無かったが〝火の結晶(イヴクリュスタル)〟はリリリの家の台所にもあったのでそれを使わせて貰う。


 ステーキだが、変なあれこれはせずにシンプルに塩とコショウで焼く。勿論、ハーブを使ったりすればより美味しくなるのは分かってる。

 だが、ハラゴシラエの肉のプロ店主じゃないんだ。素人はシンプルに作るのが一番美味い。


 ということで、筋切りをし、焼く直前に塩をまぶして強火で一気に焼いていく。

 桜に聞いてきて貰った所、黒芒はレア焼きでリリリとニールスはミディアムで三人共大盛りとのことだ。


 聞くとクレハも大盛りがいいらしく、顔を赤くしながら「ぉ……ぉお盛りでお願いします」と、言ってきた。桜は普通でいいらしい。ちなみに俺は大盛りだ。


 買っておいた鉄板で焼くが、鉄板は予備をあわせれば6つはあるので人数分を焼いた。


 *


 クレハと桜にも手伝ってもらい、六人で座ると少し狭い丸テーブルに肉を運ぶ。


「あら、美味しそ♪」

「流石は主様じゃ」

「馳走になってしまいすまんな」


 ニールスも既に酒を飲んでいて、美人の黒芒とリリリがいるせいか、すこぶる機嫌が良い。

 女好きだな、このイケジ。


 ナイフとフォークを行き渡らせると皆でいただきます。をする。

 大盛りは本当に大盛りで1kgぐらいある。ちなみに桜のは300gだ。

 桜本人はこれでも食べきれるか心配らしい。クレハも何と1kgに挑戦した。体重が気になるとのことだったが「今日は食べちゃう!」と、意気込んでいた。


「美味しいわ、こんな食事は本当に久しぶり」

「じゃろ? 主様は料理もできるんじゃ」

「〝大猪(おおしし)の肉〟は食べたことはあるが、これは驚いた。品質が違うな。間違いなく最高品質だ」


 言葉に深みがあるリリリとなぜか自慢気な黒芒に味の分かるニールス。

 クレハも「~っ美味しい♪」と、絶賛。桜も「お、美味し過ぎます!」と、驚いていた。


 ちなみに塩は〝スノーワイト〟の銀雪祭で買った雪塩(ゆきじお)と言う珍しい塩を使ってみたのだが、これが大猪の肉とベストマッチだったのかね。


 しばし肉を食べる音と酒を飲む音、それと肉を切るナイフとフォークの食器の音だけが家に響いた。


「いや、六人もいるんだから誰かしゃべれよ?」


 俺がそう言うと五人は「「「「「!」」」」」と、ハッとしたように我に返った。

 うーん、美味しい物を食べると無言になるって聞いたことあるけどあれ本当だったんだな。

 後は、カニの殻剥く時とか? そう言えば最近カニ食ってないな。最後に食べたのは牧野に連れてかれて食べたタカアシガニが最後か。

 ほら、あの水族館にいる世界一大きなカニ。

 あれ食べれるんだよ。普通に美味いしな。値段もそれなりだが、言うてそこまででは無かった。



 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想、いいねをいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!

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