第672話 魔女の家14
やっぱり、神様って誰が見ても格が違うって思うんだな。俺もアルテナ見た時にそう思ったもん。
「私は神に『私は死んだのか?』と尋ねた、クロエスは『はい。あなたは亡くなりました』と頷き返した。
そしてクロエスはこうも言った『あなたは選ばれました。異世界に転生し近々復活する魔王を倒しては貰えないか』と、私は勿論困惑したよ。
何でも、異世界に転生するに辺り、ユニークスキルと強い魔力体質で転生させてくれると言う。
私は飛び付いた。前世では自分で言うのもなんだが、正義感が強い方だったからな。
そして私は日本人から異世界人のニールス・アスプレイとなった」
オイ! 俺より主人公感強いじゃん。ラノベかよ。異世界転生で神様にスキルと魔力体質貰うとか。俺、お守りと初期装備しか貰ってないですけど、おーい、アルテナ聞いてるか?
理沙も何かアルテナに魔力体質みたいなのとか貰ったとか言ってたし。俺はラノベの主人公みたいには成れないのか。別に成りたいワケじゃ無いけどさ。
まあ、人生なんて皆自分が主人公だしな。芸能人どころか、商店街の八百屋の店主やコンビニの店員まで、誰でも自分が主人公の人生を歩んでるんだ。
今更、自分が特別なんて言わないさ。成りたくないワケじゃないけど。男の子なら誰もは一度は憧れるだろ? 漫画やドラマみたいな特別な何かにわさ。
「もうこの際だからズバッと言わせて貰うが、その割には魔王の数が減ってなかったじゃねぇか。あんた今まで何やってたんだ? 異世界転生者さんよ」
いきなり確信を聞くじゃないかって?
まあ、そりゃな。ダラダラしてても仕方ないし。
「それを言われると返す言葉も無い。私は負けたのだ。神にスキルと強魔力体質を貰い二十年の歳月をかけて剣の腕を磨いた私はたった一人の魔王に負けた」
「可笑しな話だな。あんたなら魔王ガリアペストにも引けを取らんだろう。一体どの魔王に負けたんだ?」
このイケジは強い。斑程では無いが、この世界で会った中ではトップスリーに入る。
ちなみにノアは何かあいつ隠してんだよな。実力もそうだが何か致命的なまでの重要な事を。
あの戦闘力があれば魔族はもとい、魔王を倒すことも夢ではない筈だ。だがノアは言ってた私は盾だと。
これは俺の推測だが、ノアは生物を殺せないんじゃないか? 何かの制約、もしくは何かのスキルのデメリットで。
スキルのデメリットと言うと、嘘を見抜くとても便利な〝審判〟のスキルを持つフォルタニアは嘘が吐けないと聞いたな。
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