第671話 魔女の家13
「クロエス、アルテナだと? あんた何者だ?」
不味い、何だコイツは? 得たいが知れない。
一先ず敵意は無いが、俺が知られ過ぎている。
「もう名乗った筈だが。私は勇者のなり損ないさ」
「クロエスという女神には会ってないが話は聞いてる」
「ああ、それと私は日本を知っている」
「何だと!? 神様に日本。あんた、もしかして俺とは別の異世界召喚者か?」
異世界召喚が誰が俺が初だと言った。
クロエスにアルテナ、そして日本。
異世界召喚者の可能性は十分にあるぞ!
「いや、私は異世界召喚者ではない。私は異世界転生者だ」
オイオイ、嘘だろ。異世界転生者だと!?
「ちょっと、話に置いてかないでもらえる?」
「ああ、悪い。リリリ、どうやら敵意は無いらしい。よければ家を貸して貰えないか? 少し話したいし、お前らにも分かるように話す」
「いいわ。上がりなさい。それとステーキは忘れないこと」
家に入るとリリリはまた庭に向けて杖を振り、ニールスの分の椅子を作成する。
「で、どういうこと?」
「話せば長くなるんだが、クレハは少し知ってるよな。実は俺は──」
──
────
俺は要点だけを取り敢えず話した。だってリリリとは斑との異世界話するって約束しちまったからネタバレになるしな。
俺が話した内容は大きく分けて二つ。
・俺が女神アルテナに呼ばれ異世界から来てること。
・そして『取り敢えず魔王を倒してきてください』とアルテナに頼まれ魔王討伐を目的としてること。
クレハは前に話しているのであまり驚かないが、リリリ、黒芒、桜は驚いていた。
リリリと黒芒は「「ほう」」と、何やら楽しげに聞いていたが。この娯楽部め。
「あんたは転生したと言ってたな。てことは転生前の、日本の記憶はあるのか?」
俺が問いかけると持参したらしい酒ビンから酒を一口飲むと神妙な赴きで話し出した。
「私が日本にいた当時は戦争真っ只中、私は神風に乗り戦死した。それが日本での最後の記憶だ」
神風……神風特別攻撃部隊か!?
旧日本海軍の体当たり攻撃部隊。
言わば、自爆特攻だ。
「すまん、嫌な記憶を思いださせたな」
「いや、気にすることは無い。そして気づいたら私は天井の無いボワりと白く光る広い部屋にいた。
私はそこで漸く気づいたよ。ああ、自分は死んだんだなと。私は不思議と悪い気はしなかった。
そんな時だ金髪ショートの美しい女性が話しかけて来たのは、一目で分かった。目の前の女性は人間ではないと、何というか存在そのものの格が違った」
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