第670話 魔女の家12
「リリリ、お前の結界が破られたのか?」
家を隠してた結界、それが今破られたらしい。
敵襲か? 一体誰が、こんな場所に?
「少し違うわ。結界がそのものが壊されたワケじゃなくて、斬られた。人一人入れるぐらいの小さな亀裂」
要するに結界を壊して入って来たのではなく、自分が通れるスペースだけ律儀に斬って入って来たと言うことだ。
直ぐにリリリは箒に乗り、家を飛び出し、侵入者の元へと向かう。
「俺たちも行くぞ! 桜は下がってろ」
リリリの後を俺たちが追うと。
斬られた結界の隙間から人が現れる。
(な、何だ、この爺さんは?)
歳は70後半ぐらいだろうか、白髪のオールバックに整えられた短い白い髭に片眼鏡、細身ながらも鍛え練り上げられた体からでるオーラは……強い……。
腰の剣も絶対に業物だな。あーあ、絶対にコイツ強いよ。このイケジ。リリリ、何とかしてくれないかな。
「私の家に何か用事? 招かれざる人の子」
少し機嫌が悪そうなリリリ。
食事にする所だったモンなー。
「いやはや、すまない。突然の来訪は詫びさせていただこう。いろはの魔女殿、私に貴女との戦闘の意思は無い。どうかその杖を下ろしていただきたい」
お、戦闘の意思は無いみたいだぞ。
いいな。平和万歳!
「私の結界を斬っておいて言う台詞じゃないわね。じゃあ、何のようかしら?」
杖は一先ず仕舞ったが、リリリは警戒を解かない。
「稗月倖真がここにいると聞いて来たんだが」
ぶっ! 狙い俺かよ! 平和がぁぁ!
もうこうなっては仕方がない。
できるだけ穏便に済ませるか。
「……ッ!? せ、準勇者……!!」
ガタッと、クレハが腰を抜かす。ちょ、大丈夫か? ノアと初めて会った時ぐらい驚いてるぞ。
「稗月倖真は俺だ。まあ、この中で男は俺しか居ないからパッと見と名前で分かるだろうがな」
リリリに視線で下がるように言いながら。俺は〝準勇者〟とやらに話かける。
「はじめましてでいいのか。私はニールス・アスプレイ。そちらのキュートなお嬢さんの言った通り世間からは〝準勇者〟と呼ばれている者だ」
「で、俺に何のようだ。心当たりが無いワケじゃないが」
心当たりは、うーん、そうだな。指名手配とか、指名手配とか、後は指名手配とかかな。
「私はキミに会いに来た。様子を見にな」
「様子を見に? つーか、俺がここにいると聞いたと言ってたが、誰に聞いた。誰にも話してないぞ?」
すると意外な人物の名前が上がった。
「私がキミがここに来ることは女神クロエスに聞いたのだ。キミは女神アルテナに呼ばれてこの世界に来たのだろう」
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