第662話 魔女の家4
「異世界。そんな世界があるなら私もまだまだってことね。世界中を歩いてきたけど、本当に世界は広いって話しになってくるわね。私も聞きたいけど先に聞いては斑に悪いわね」
「なら、お前も来いよ。斑とも知り合いならアイツも嫌とは言わないだろう。まあ、いつになるかは未定だが。それでもアンタにとってはあっという間だろ」
「あら、いいの? 是非参加したいわ」
「おう、あ、でも連絡手段が……まさかまた風に手紙を飛ばす何てことできないし。ノアから貰った〝通信石〟は一つしか無い……うーむ、あ、桜、お前、何とか出来ないか? あの〝精神疎通〟で!」
桜は〝人間〟では珍しく、スキル〝精神疎通〟が使える。本来はエルフが〝精神疎通〟を持つエルフ同士に使うものと聞いているが、桜のは少し違く〝精神疎通〟を持つもの同士では無くても、手合わせと呼ばれる見て字のごとく、相手の手と自分の手を合わせた者と〝精神疎通〟が出来る。しかも桜を介して、例えば俺とクレハが〝精神疎通〟で、会話ができるという優れものだ。
「あ、はい。いろはの魔女様に手を握っていただければ〝精神疎通〟でいつでも会話が出来ます」
「よし、それだ! いいか? いろは?」
「私は構わないわ。エルフの子以外で〝精神疎通〟を使える者は稀に会うわね。興味深いわ」
へぇ、稀には要るのか。コイツが稀とそう言うなら本当に稀なのだろう。宝くじで1等当たる人よりは余裕で少ないだろうなー。
何も警戒せず、いろはの魔女は桜の手を握り「これでいい?」と、聞いてくる。
もう俺も桜と手合わせはしてるので、試しに、
『聞こえるか?』
と、いろはの魔女に〝精神疎通〟で問いかけてみと、
『聞こえるわ。これで問題解決ね』
同じく〝精神疎通〟で返事が来る。
仲介役の桜は話が聞こえてるらしく、ニコニコと微笑んでくるが、一人、置いてきぼりを食らってるクレハは静かに紅茶を飲んでいる。
こういう場面でもハブりみたいなのはあまり好かないので〝精神疎通〟はここまでにする。まあ、クレハも桜との手合わせは済ませているので中に入れるっちゃ入れるが、入るタイミングは完全に見逃してたな。
「そーいや、あんたは名前は何て言うんだ。いろはの魔女はどう考えても通り名だろ? 安直にいろはって名前の可能性も無くはないと思ってるが、まあ、無理にとは言わないがよければ名を教えて貰えないか?」
「私の名前なんて聞いても面白くないわよ。まあ、でもいいわ。私の名は──」
いろはの魔女が名乗ろうとした時だ、スルりと俺の影から、黒芒が出てくる。まだ日は沈んでないぞ?
「なんと。懐かしい、そなたリリリではないか? 最低でも1000年以来か、久しぶりじゃの、リリリ──」
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