第652話 ラタトイユの朝
(現在)〝天空都市ラタトイユ〟宿屋
「あ、ユキマサ君、帰ってきた! どこ行ってたの! 珍しくこんな朝早くから!?」
部屋に帰ると俺はクレハに問いかけられる。出掛けてたことより、朝早くにの方に驚かれた様子だ。まあ妥当だな。俺だって、年に数日、たまにはあるんだよ。早く起きる日も。黒芒はどうかはしらないけど!
「空飛ぶニワトリとパン屋を見に少しな。ほれ、これ土産」
〝アイテムストレージ〟から買ってきたパンを取り出しながら俺は席に着く。朝だし牛乳も〝アイテムストレージ〟から出しといた。
黒芒はまだ酒を飲んでた。桜は黒芒に優しくほっぺをツンツンされながらも、まだ可愛く寝息を立てながら寝てる。マンモス狩りに疲れたんだろうな。
桜、寝顔も可愛いなー。中三ぐらいの成長途中の仄かな幼さと持ち前の白い肌と黒い長い髪、そして名前の如く桜をイメージさせる可憐な美少女だ。
黒芒やクレハとはまた違った可愛さだよ。
つーか、このパーティー、めっちゃ黒いな!? 俺もそうだが全員黒髪だし。ギルドでは〝チーム時伽〟を名乗ってたが〝チーム黒〟とかにした方が分かりやすいんじゃないのか? まあ、別に名前はどうでもいいか。
「あれ、ユキマサ君がパン何て珍しいね」
「まあたまにはな。朝ごはんに食べようぜ。おい、黒芒、桜を起こせ。朝飯だ」
「うむ、承った」
頷く黒芒と「ありがとう!」と、パンを紙袋から出しテーブルに選びやすいように並べるクレハ。
黒芒に起こされた桜は顔を真っ赤にし「~/// す、すいません! 寝過ぎましたぁ~!!」と、飛び起きた。
「別に寝過ぎじゃないだろ。いつも俺はもっと寝てるぜ? それにクレハが早起きで黒芒が遅寝なんだ」
桜は普通だよ。と、言ってやると「ありがとうございます……///」と、少し恥ずかしそうに言った。
その後、俺は桜が着替えるので一度外に出て、桜が着替えてくるのを待つ。
「あ、ユキマサ君、パンは桜ちゃんから選んで貰おっか。桜ちゃんパンが好きだって言ってたから喜ぶと思うんだ、どうかな?」
「そりゃ名案だ。年も一番下だし。下りてきたら好きなだけ選ばせてやりな。多めに買ってきたから三つ四つ取っても足りないってことはない筈だ」
五分もしない内にトコトコと駆け足で「すいません。お待たせしました」と、桜が部屋の外の俺とクレハを呼びに来たので「よし、じゃあ朝食にしよう」と、俺が笑うと「はい」と、それこそ春の優しい桜をイメージさせる声で返事と共に、やはり桜は桜の花ように温かく笑った。
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