第651話 ノアとチャッチャラー3
「折角だから、奥さんの分もあげようか。チャッチャラーさんの通信番号は4-4で奥さんのは4-5ね♪ ちなみにユキマサ君への通話番号は10-2だよー♪」
ここでチャッチャラーは4度目の驚愕の表情を見せる。こうも短時間に驚愕されると少し飽きが来るなーと、ノアは反省する。まあ、詰まらなくは無いけど。
「ユキマっさんと通話できるんスか!? 〝聖教会〟マジパねぇ……いつの間に渡してたんスか……?」
まだ石を眺めながらチャッチャラーはノアに問う。その顔はユキマサに連絡したいけど理由が思い付かないと言う顔だ。
チャラ男っぽく無いなー。と、ノアは思う。
「貴方になら話してもいいかな。実はね、先日〝ジークア王国〟に〝奴隷廃止法違反〟の嫌疑でガサ入れがあったんだけど。その場にはウチのジュリちゃんとレモンちゃんが向かったんだけど、一足先にユキマサ君が〝ジークア王国〟を締め上げて、奴隷を解放してる最中でね。その時に渡した感じかな」
その話を聞いたチャッチャラーの目が鋭くなる。
「……奴隷っスか? それマジなら大問題っスよ」
「それが本当だったから私たちが動いたんだよ。もう少し早く動くべきだった。凄く反省してる」
「白娘さん、今、被害者の方々は何処でどうに?」
奴隷ではなく被害者という言葉を使うチャッチャラーにノアは心の中で称賛を贈る。
「八割はウチで自立できるまで保護してるよ。怪我もジュリちゃんと主にユキマサ君が治してくれたみたいだしね。残りの二割は〝聖教会〟がガサ入れに行く前にユキマサ君が資金を渡して奴隷紋を剥いで〝ジークア王国〟から逃がしてる。
〝聖教会〟でも行方を追って直接安否を確認したけど〝冒険者〟だったり、ユキマサ君からの資金を元に仕事を始めたりとそれぞれ生活してるみたい。ちゃんと全員の無事は確認してるよ」
まあメンタル面まではまだケアできて無いけどね。と、少し悔しそうに付け足しながらノアは言った。
「そスか。一安心すね。よかった。つか、ユキマっさんマジパねぇ……! 好感度ンーナギ上りスわ!」
「チャッチャラーさん、実は真面目でしょ? チャラ男はキャラ作りかな? まあどっちでもイイけどね」
ふふふ、と、ノアは笑う。
「ちょ、べ、違うっスよ! 俺は根からのチャラ男で! つか、白娘さんサラッとSだわー」
顔を赤くして慌てて抗議するチャッチャラー。顔を赤くした彼の右頬に刻まれたハートの刺青が仄かに色付いていくのを見てノアは吹き出しそうになるが寸での所で堪える。
「長々とごめんね。奥さんにもよろしく。私はこれでいくね、またねチャッチャラーさん♪」
話に満足したとばかりにノアは微笑みながら、この場を後にする。唐突に帰られたチャッチャラーが「あ、ちょ、白娘さん!?」と、呼び止めるが、その声が発し終えた後もうそこには白娘ことノアの姿は一陣の風と共に綺麗さっぱりと消えていた。
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