第650話 ノアとチャッチャラー2
「うん? あ、私? あー、うーん。ま、いっか。私の正体は内緒にしてね。私はノア。ノア・フォールトューナだよ。さっきの会議で会ったよね♪ それとも〝聖教会〟の〝大聖女〟って名乗った方が分かりやすいかな?
あ、髪の色を指摘するのは無しね。それユキマサ君でやったから、ネタバレすると魔法でちょいちょい」
あんぐりとチャッチャラーは口を開け目をぱちくりさせる『べっ!?』とか『マジスか!?』とかを連呼する。
「〝大聖女様〟とは露知らず、ス、スンマセンした!」
「様は要らないよ。畏まられ過ぎるの実はあんまり好きじゃないんだ。ノアでいいよ。って、言いたい所なんだけど、この姿の時は白娘って呼んで欲しいな♪」
「了解っス、白娘さん」
「そうだ。会議の場では聞けなかったけど、これからどうするの? あ、うん〝王国魔導士団〟を抜けたあとの話だよ。チャッチャラーさんが、あちこちの孤児院に匿名で寄付をしてるのは私は知ってるよ。〝王国魔導士団〟のお給料なら寄付の余裕があっただろうけど〝王国魔導士団〟を抜けた今は自分の生活も改めて考えなきゃいけないレベルの話しなんじゃないの?」
ノアは心配心でそう言った。決して嫌みで言ったのではない。
「……心配してくれるんスね。でも、心配は無用っスよ! 嫁さんと冒険者をやるつもりスよ。二人っきりっスけど、嫁さんは元冒険者ですし、俺も〝王国魔導士団〟での戦闘経験もあるんで、まあ何とかなるかなって所っス! てか、どこから聞いたんスか? 俺が孤児院に寄付してたこと。嫁さんにも言ったこと無いんスよ?」
「ふふふ♪ 〝聖教会〟の情報網は伊達じゃないんだ♪ 頑張ってね、チャッチャラーさん♪ あ、あとこれを良かったら貰っておいて貰えるかな」
スっと、懐から取り出したのは卵サイズの丸く白い石だ。少し透明がかっている。
「何スかこれ? 石?」
不思議そうにチャッチャラーは渡された石を上から下から360度ぐるりと見渡す。
「それは〝通信石〟だよ。最近ウチのジュリちゃんによって〝伝聖の遺産〟の量産型が開発されたんだ。で、それがそれ。私の通話番号は1-1だから何かあったらいつでも連絡してきて♪」
それを聞いたチャッチャラーは本日三度目の驚愕の表情を見せる。
「て、それめっちゃ高いんじゃ無いスか!? いいんスか!? 俺が貰っちまっちゃって!?」
「うーん、値段はどうかな♪ 聞かない方がいいかもねー。何てね、言ったでしょ。量産型だって。最初の内は少し入手困難になるかもだけど、数年もすれば一般的に普及するんじゃないかな。時代は進歩するね」
意外とからかい甲斐がある人だなー。と、ノアはクスクスと笑いながらチャッチャラーの反応を楽しんだ。
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