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第640話 アルカディアの会合15



 軽く三桁以上は年下だが、立場は同等の〝三王〟のジークパングの問いにシアナは少し押し黙る。


「……っ……でも、私は……」

「ねぇ、シアナさん。ユキマサ君には()()()()()()()()()? 〝原始の黒〟ウルスラの復活の失態の件はどう説明していただけるのかな?」


 ここぞとばかりにノアが畳み掛ける。


「……そ……それは……」


 言葉に詰まり歯軋りをするシアナ。こんな彼女は本当に珍しい。度重なる色んな事件や〝最高貴族〟からの圧力等で〝シルフディート首都崩壊〟以降はあまり体を休めていない。強いて言うならば〝シルフディート〟から〝アルカディア〟までの宙船(そらふね)での移動中にやっと少し休めたぐらいだ。


「〝原始の黒〟ですと!?」

「まさか、単なる噂では」

「だが、それが本当ならば〝シルフディート〟の壊滅も説明が付くのではないのか?」

「いや、あれが復活したならば被害はこんなものでは済まない。太古の昔に封印された〝六龍(ろくりゅう)〟の一匹。驚異は計りしえん」


 ざわざわと会議場がざわつく。


「ハハハハハハッ──〝原始の黒〟ウルスラか。それが封印されたのは妾が生まれるよりも更に前の出来事だ。史実では同格に位置付けられている〝原始の赤〟が暴れた時は国が三つと島が四つ消えたと聞いておる。シアナ〝原始の黒〟の復活、その話は真か?」


 ニヤリと鋭い牙を見せながら笑う〝三王〟ヴァンドールは姿勢を崩しながらシアナを呼び捨てで問う。


「…………」


 シアナは押し黙り、その後に何度か何かを言おうとするが、上手く言葉にならない。


「沈黙は()なり。そんな言葉があったよね」

「……ウルスラの復活は事実よ……」


 震える声でシアナがウルスラの復活を認める。


「バカな。強固な封印で守られていたハズじゃないのですか?」

「封印を壊したのは魔王信仰のNo.2〝屍〟シリュウ・ブラック。あの男には〝魔術柱(コムルナ)〟も合わせて二つも人類の生命線を破壊されたことになるわね。経緯はどうであれ、勿論、管理責任の全ては私にある」


 ざわざわと場がざわつく。驚きと恐怖が場を広がっていく。六魔導士を含む数名は変わらず落ち着いていた、その中でも特に落ち着きを見せていたノアがシアナに続けて話しかける。


「で、ウルスラは誰がどうしたのかな? 私が知る限り、あの場の二つ名持ち(ネームド)を以上を合わせた一定以上の戦力は〝星艦〟〝雷光〟〝剣鬼〟の三名の他には〝剣斎(けんさい)〟と──そして()()()()。あ、私は〝国狩り〟って呼び方は使わないよ。ちゃんと指名手配を取り下げさせて、新しい〝二つ名〟を考えないとね。ふふ、私が考えちゃおうかな。ロキさんに頼んでみよう♪」



 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


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 (また、既に評価、ブックマーク、感想、いいねをいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


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