第636話 アルカディアの会合11
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「あ、僕もいいかな?」
はいはーい。と、その場の空気に合わない気軽さでパンプキックが手を挙げる。
「うむ、パンプキック殿。聞かせて貰えるか?」
幾星霜を生きる〝幻霊種〟のパンプキックには〝三王〟のジークパングも殿と敬称を付けている。
「僕はシラセみたいに細かな所までは説明できないけど、ユキマサは悪じゃないよ。本当の悪い奴って言うのは今まで何人も見てきたから分かる。むしろさ、この一件には逆に悪い奴がユキマサに怯えて糸を引いてるんじゃないの? 怖いんでしょ? 権力も戦力も通用しない。国すら簡単に敵に回して攻め落とす極めて異質なユキマサが。今は〝国狩り〟とか呼ばれてるんだっけ? 言い得て妙だね。正確には悪国狩りかな。あれ? 語呂が悪いな。うーん、何か他の無い?」
終始あっけらかんな様子のパンプキックだが、紅と蒼の左右対称目の瞳の奥は笑っていない。
「ねぇ、シアナ女王。そんなに怖い? 〝最高貴族〟が? 昔からいるけどさ、あんな奴らに媚びへつらって何が楽しいの? 人類に何か利益ある?」
まさに爆弾発言だった。いや、爆弾発言と可愛い物ではなかった。比喩無しで即首を切られても可笑しくはない。それが即行われなかったのはパンプキックだからだろう。人類最高戦力部隊〝六魔導士〟にして幾星霜の時を生きる〝幻霊種〟一人。
そう易々と首を切ったり何て実力的にも権力的にもできやしない。
「パンプキック殿!? く、口が過ぎるのでは!!」
「いくら〝六魔導士〟でも〝最高貴族〟の侮辱は重く罰せられますぞ!」
貴族、王族から焦った声で猛反発を受けるがパンプキックはどこ吹く風だ。
「僕らは何の為にいるの? 人類を救う為だよね? 〝王国魔導士団〟は〝最高貴族〟の犬じゃない」
「したっけ。俺はパンさんに同意っスけどね」
パンプキックの言葉に同意したのはチャッチャラーだ。
「デストルークティオーコール。パンプキック殿、あなたなら聞いたことない?」
「シアナ王、待つんじゃ!! それはマズイ!!!」
今日イチで焦るジークパングは声を張る。
「ハハハ、よいではないか? 話してやるがいい」
その存在を知る。ヴァンドールは不敵に嗤う。
二人の言葉を聞いてか聞かずかは分からないが、気にせずシアナは話を続ける。
その目は自棄糞にも見えなくもない。
「〝天聖時代〟の、そのまた遥か昔から存在する星の核を割る。人類最悪で最強の魔法術式。簡単に言えば人類の自爆スイッチ〝最高貴族〟は太古の昔から代々とその発動術式を握っている。その気になれば〝最高貴族〟は人類を己ものとも滅ぼせるわ」
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