第621話 天空都市ラタトイユ24
ギルドの査定が終わり、ギルドの女性職員に呼ばれると、どっさりと金貨が用意されていた。
パッと見、最低価格の金貨50枚以上はあるな。
「お待たせいたしました。〝チーム時伽〟の皆様ですね。ポーポマンモスの査定の結果、状態、品質共にランクS査定となり金貨100枚の買取りとなります」
桜とクレハが「き、金貨100枚……」「す、凄いね」と、驚いてるのを見るに良い買取金額のようだ。
「勿論、ご納得いただけなければクエスト破棄していただいても構いません。どうなさいますか? えーと、チームリーダーの方はそちらのフードの……」
「いいや、俺はリーダーじゃない。リーダーはこの子、かわいいかわいい桜ちゃんだ」
「え、私リーダー何ですか!?」
「あ、うん。だって〝チーム時伽〟だし」
焦る桜が少し面白くて俺は「後は頼んだぜ。時伽リーダー。おい、クレハ、桜を見てやってくれ」と、言いその場を立ち去る。
その場を離れた理由は他にもある。ギルドで注目を集めすぎた。俺たちの回りには人だかりができてる。
指名手配犯の俺にはとても居心地が悪い。
桜やクレハにちょっかいかけるような奴がいないか見張りながら、二人の換金手続きを待つ。
*
「ユキマサさん、終わりました」
金貨100枚を布袋に入れてクレハと持ってきた。
「お疲れ様、疲れたか?」
「精神的に少し、大金を持つと周りの人の視線が気になりますね」
桜ほどの美少女なら、いつでも周りの注目を集めそうだが、そこら辺はあまり気づいてないらしい。
「一度、宿に戻って配分を決めよう。俺たちの分のポーポマンモスも残ってるしな」
ついに来た! 念願のマンモスだ! 骨付き肉を俺は食べるぞ! 自分で焼いてもイイが、折角ならプロに焼いてもらうのもイイだろう。
あーあ〝ハラゴシラエ〟があればな。店主に焼いてもらったんだけどな。つーか、この街で肉を持ち込みして、焼いてくれる店なんてあるのかね?
天空都市だぜ? 何かマンモスとは欠け離れてる気がする。
*
宿屋に着くと報酬金を山分けする。
飯になったら起こせと言われていたが、金のことはしっかりしときたいので「おーい、起きろー」と影の中の黒芒を起こすと「なんじゃ、主様。妾まだ眠い」と言いながらゆっくりと影から出てきた。
「半分の50枚は俺たちの活動資金にして、もう半分の50枚を頭分けするぞ。っと、50枚を4人で割って一人あたり12.5枚。金貨12枚と小金貨5枚だ」
俺は金貨2枚を〝アイテムストレージ〟から取り出した小金貨20枚に両替し、皆に分ける。
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