第620話 天空都市ラタトイユ23
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〝天空都市ラタトイユ〟に着くと同時に日は沈みきった。何とか日が沈む迄に帰ってこれたな。
俺はフード付きマントを被り、顔を隠しながらギルドにクエスト完了の報告をする。
ギルド職員には「えーと、マンモスはどちらに?」と、首をかしげられたので「ああ、悪い。ここだ」と〝アイテムストレージ〟から取り出すと、腰を抜かして「あ、アイテムストレージ!?」と、驚かれた。
ギルド内で解体されているとは言え急にマンモスが現れたものだから、ギルドは軽いパニックだ「何だ何だ」「何事だ」「敵襲か」「酒が美味いのう」と、声が上がる。
てか待ておい、最後の声、黒芒じゃねぇか! お前いつの間に影から出てきたんだよ。てか、酒飲むの早ぇよ!
「血抜きと洗浄はしてある。依頼は完了でいいか?」
「は、はい、問題ないと思います。報酬金を査定しますので少しお待ちください」
報酬は金貨50枚~になってたからな。
上手くいけば上乗せも期待できるだろう。
待ち時間に俺たちも喉が渇いてきたので、何か飲むかと思い、黒芒の元へ向かうと、既に二杯目の酒を口に運ぶ黒芒の姿があった。
「そーいや、黒芒、お前、その会計はどうしたんだ? 金持ってたっけ?」
「ん? 払ってないぞ。ツケで飲んでおる。妾はそれなりに顔が利くからのう。店の者も二つ返事で了承してくれたぞ」
「おい! ダメじゃねぇか! ちょっと払ってくる。あ、それと、クレハ、桜、お前ら何飲む?」
「私は温かいお茶がいいかな」
「えと、私はオレンジジュースが飲みたいです」
「はいよ、了解」
見方を変えれば無線飲食未遂の黒芒のことを店員に平謝りし、温かいお茶とオレンジジュース、それと俺はジンジャエールを注文した。
そこに音もなく現れた黒芒が「おかわりを頼む」と再度注文を繰り返す「主様、ご馳走さまじゃ」と美人顔で言われ、美人顔に負けた俺は黒芒の三杯目の酒の代金を支払う。てかコイツ多分まだまだ飲む気だぞ!
はぁ、まあもうコイツの酒代は仕方ないか。今日もそうだが、働いてはくれてるんだし。つーか、マンモス倒したの黒芒だしな。見つけたのは俺だけど。
温かいお茶とオレンジジュースとジンジャエールを持ってクレハと桜の待つ席に付き、ギルドの査定を待つ。
あーだこーだ、と駄弁っていたら、あっという間に時間は過ぎた。
その間に黒芒は五杯目の酒を空けていた。
「お待たせしました。えーと、チーム名はまだありませんね。暫定で〝チーム時伽〟の皆様、換金の準備ができましたので、こちらへどうぞ」
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