第617話 天空都市ラタトイユ20
「いたぞ、マンモスだ! あの洞窟だ!」
俺は東にある、探して43個目の洞窟を指差す。
「流石じゃ主様、しらみ潰しに当たっていたら、ちと面倒じゃからの、さて早よう、向かおうぞ。桜は妾から離れるでないぞ」
「あ、はい。分かりました。すいません。守って貰ってばかりで」
気にするでない。と、黒芒は返した。
「骨付き肉、骨付き肉♪ 行くぜ、骨付き肉が俺たちを待ってるぜ!」
「ユキマサ君、骨付き肉って何?」
骨付き肉を連呼する俺にクレハが問いかける。
「な、骨付き肉、無いのか? この世界にも?」
俺は絶句する。異世界なら、異世界にならば、親父と俺が憧れた骨付き肉、別名・マンガ肉が、実在し、存在するのではと思っていた。
「あれだよ、骨をつけたままの肉だよ。骨を持って、こう、肉に齧りつく奴だよ……骨付き肉……この世界でも……無いのか?」
この世界でも無いなら、骨付き肉はマンガの世界にしか無いのか。
神様や魔王よりも空想の存在だって言うのかよ。
「わわっ、何でそんな悲しそうなの!? 大丈夫だよ、きっとあるよ!」
「主様よ、要するにその形の肉があればよいのじゃろ? 無ければそれそうおうに切って作ればいい、それだけの話じゃろう?」
無ければ作ればイイ。
「黒芒……そうだな、そうだ。無ければ作ればイイよな。材料となるマンモスは実在するんだしな、よし、行こう。俺は骨付き肉を作るんだ!」
親父、見ててくれよ。俺は骨付き肉を作るぜ。
「ゆ、ユキマサ君、クエストも忘れないでねー?」
何か変なスイッチ入っちゃったかな? と、苦笑いで俺を見るクレハ。やべ、クエスト優先ってこと忘れてたよ。依頼用と自分用で二匹捕獲しないとだな。
*
竹箒で洞窟進めるかなー? って、考えてたけど、どうやら降りた方が良さそうだ。
別に洞窟が狭いというワケではない。危険性の問題だ。竹箒に乗っていれば、それなりの間隔を開けて飛ばなければならない。空ならば見晴らしが良いが、洞窟内は勿論、壁もあれば、天井もある。簡単に言えば、奇襲が仕掛けられやすいのだ。
敵モンスターも某ゲームのスライム程度の物から魔獸まで様々な物がいるだろう。現にさっき〝天眼〟で、他の洞窟だがヒュドラを確認できた。寝ているようだったが。
黒芒は心配要らないだろうが、クレハと特に桜が心配だ。怪我をしても治してやれるが、万が一、即死なんてことになれぱ悔やんでも悔やみきれない。死者は生き返らない。これは絶対だ。まあ、治るからどれだけ怪我をしてもイイってワケじゃないが。
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