第616話 天空都市ラタトイユ19
クレハの放った短剣は目で追えるスピードだ。
なので俺は普通に目で追っていた。
だが、不思議なことは次の瞬間に起きた。
クレハの短剣が消える。
比喩じゃない、クレハの短剣がパッと消えたのだ。
そして短剣が消えた瞬間、カエルモンスターの舌がくるくると回る短剣により切断された。
何かがおかしい。
短剣が消えたと思ったら、舌が切れた。
まるで瞬間移……あ、ああ!
「今のは〝空間移動〟の応用か?」
「うん、そうだよ」
「興味本意で聞くが、運動エネルギーを殺さず〝空間移動〟ができるのか?」
「運動エネルギーは殺す殺さないはどっちもできるよ」
「マジかよ! 凄いな〝空間移動〟──」
俺の言葉が終わる前にクレハは次の短剣をまたくるくると回転させながら2本ほど投げる。
するとまたもや投げた矢先に短剣は消え、今度はカエルモンスターを無数の斬撃が襲う。右、左、右、上、下、右、上、左、斬撃はカエルモンスターを切り刻んでいき、やがてはこの世界お馴染みのゲームのラグみたいな走り、カエルモンスターは消える。
倒した、カエルモンスターは死んだのだ。
そう言えば、クレハのちゃんとした戦い方を見るのは初めてだな。
〝空間移動〟の応用がこんなにも強いとは。
レベルが全てではないというアルテナの言葉を思い出すな。〝空間移動〟確か〝ユニークスキル〟だったか? このスキルは間違いなく高位のスキルだろう。
「ほう〝空間移動〟か、似たようなスキルは見たことはあるが、運動エネルギーを殺さずに移動できるのは見たことはないのう。大抵の移動スキルは運動エネルギーは消してしまうからのう」
黒芒も感心した様子だ。
最初は『何だこの雑魚は?』とは言っていたがな。
次に俺はスキル〝天眼〟を使う。
これで辺り一帯の空間や生物を把握できる。
魔物が沢山いるな。厄介そうなのもチラホラいる。まあ、俺や黒芒がいれば問題なく対処できるが。
東京ドームサイズ3つ分ぐらいの洞窟の中をスキル〝天眼〟で探る。
一つ目の洞窟にはマンモスの気配は無い。ちなみにマンモスの気配とは、スキル〝天眼〟により、魔物の姿形の全体図が頭に流れ込んでくる。
二つ目、三つ目、四つ目、ダメだ。居ない。
洞窟は広いのでいくらスキルによる探索でも少しばかり時間がかかる。空に竹箒で飛び、竹箒にあぐらと言う独特の姿勢で俺は飛んでいるんだが〝天眼〟でマンモスを探している間は黒芒とクレハに向かってくる魔物の対処は任せている。
黒芒は向かってくる魔物を退屈そうに扇で一蹴し、クレハは油断せず着々と倒していく。
スキル〝天眼〟でマンモスを探すこと洞窟43個め。見つけたマンモスだ!
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