第607話 天空都市ラタトイユ10
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俺は成功報酬の金貨一枚を受け取り、俺は早々にナオちゃんの家を後にする。
ちなみにえらく感動され、もっと金を払うとナオちゃんの母親に言われたが俺は「最初の金額だけでいい、聞いた話しだと余裕があるワケでもないだろ?」と断った。
でも、ナオちゃんが自分のツチノコの貯金箱をハンマーで叩き割ってまで取り出し渡して来た銀貨一枚は「大事なお小遣いをいいのか? 返さないぞ」と、俺は笑いかけ「大丈夫です。ありがとうございました!」と、返事を貰ったので、これはありがたく受け取っておくことにした。
「君は本当に病気を魔法で治してしまったんだな。これがどういう意味か分かっているのか?」
「魔法じゃ病気は治せないのが一般的らしいな。これは俺の〝ユニークスキル〟による恩恵だ。まあ内緒にしておいてくれ、誰彼隔てなく救うつもりは無いからな」
「君は医者になるべきだ」
「そんな立派な職業、俺には似合わねぇよ」
そう返事をするとレイヴは黙りコクってしまった。何かを考えてるのか、呆れて何も言わないのか、その答えは俺には分からなかった。
この世界には人の心を読み取れるエスパーみたいな〝スキル〟を持ってる奴もいるのかね?
*
──〝天空都市ラタトイユ〟ギルド
「これで冒険者登録完了となります。こちら冒険者カードです。何か質問はありますか?」
ギルドの職員が桜に問いかける。
対する桜はフルフルと首を振り、
「大丈夫です。ありがとうございました」
「そうですか。今日からクエストの受注も可能ですのでよければ掲示板をご覧になっていってください。最初は薬草採取や家事代行等をオススメしますよ」
ギルド職員は遠回しに君じゃ危ないから簡単な仕事を受けなさいとばかりに初心者向けのクエストを紹介する。この子、大丈夫かな? と、心配した目でも見られている。
それもそうだ。今の桜のレベルはたったの7。正直、そこら辺の飲食店員の方が強いぐらいのレベルだ。そんな少女が冒険者登録をしに来たとなれば心配の一つもするのが普通だ。
何か事情があるのだろうと察したが、何も聞かずにいるのはギルド職員の空気の読める人間性の現れなのだろう。
それでもギルド職員は口酸っぱく冒険者の危険性の話はした。冒険者とは死と隣り合わせの危険な職業だ。世界規模で見れば冒険者は毎日と数人は亡くなっている。
真面目な桜はギルド職員の話をキチンと聞いた。その上で、ちゃんと適切なクエストを受けることを約束させられた。
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