第600話 天空都市ラタトイユ3
*
「美味いっ!」
俺はクレハから貰ったクジラ串を食べるとありのままの感想を述べる。
クジラってこんなに美味かったのか?
「ユキマサさんて時々凄く子供っぽいですよね。あ、えーと、そ、そこも素敵なんですけど……///」
桜まで顔を赤くしてそんな事を言う。子供っぽいか、たまに言われるな。祭りの時とかは特に。
まあ、実際16歳はまだ子供の年齢だしな。成人してないし。でも、逆に考えるともう後四年で俺は年齢だけ見れば成人、大人になるのか。
日にちに換算すると1460日、1460回夜寝ればその日はやって来る。長いようできっとあっという間なんだろうな四年なんて。
逆に四年前の俺は何をしていただろうか? 12歳の頃の話になるのか、小学校六年だ。
あー、学校にも行ったり行かなかったり、それでいて世界に退屈してたな。義務教育なのにな、それをあまり行ってなかったって事は俺はあの世界で義務を果たしてなかったことになるな。
今思えば悪いことをしたかなと少しは思う。
「よかった。喜んでくれて」
クレハが笑う。花が咲くように。
「主様、早ようせんと残りの串焼きが無くなるぞ」
「おい、待て、黒芒! 食べながら言うな、現在進行形じゃねぇか! あぁ、六首ダチョウが!? それ結構興味あったんだぞ!」
残り一口となった六首ダチョウの串焼きを俺は口に運ぶ。美味いけど食った気がしねぇ。とボヤく俺と、苦笑いのクレハ、クスクスと小さく笑う桜に、ご満悦な黒芒。
ったく。にしても俺の周りも賑やかになったよな。俺はこの世界に来た時はきっと一人で黙々と魔王討伐を目指し、旅をすることになると思ってた。
だが、蓋を開けてみれば、異世界召喚初日にクレハに出会い、後日黒芒の封印を解いちゃって、そのまた後日人拐いに拐われた桜を助け、今こうして偶然にも巡りあった仲間と旅をしている。
なあ、アルテナ。もしかして神様のお前はこの出会いは必然で、あの時から知ってたりするのか?
今度あったら意地悪気に問いただしてやろう。魔王が四人いる何て話も聞いてなかったしな。てか、魔王一人増えたぞ?
神様に頼まれて魔王を倒しに異世界召喚されたと思ったら、実は魔王は四人いて、一人倒したと思ったら、魔王一人追加で増えました何て事あるのかよ。
つーか、異世界来て早々に指名手配されてますし。後悔はしてないけど。エルフの国の最高貴族め本当にムカつくな。こんなこと考えると毎回思うが現実は漫画や小説みたいにはいかないみたいだ。
まあ、当たり前か。
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