第594話 次の街へ5
食事を済ませると、クレハと桜が風呂に入る。二人が洗ったんだ。一番風呂の権利は十分にあるだろう。
俺はその間に桜の祖父母のメモリアルリングの作成に取りかかろうかと思ったが、酒入ってるしな、今日はやめとくか。
出来の問題じゃない、モラルの問題だ。
クレハと桜が風呂から出ると「先に入るか?」と、黒芒に聞くと「妾はまだよい」とのことなので俺が先に風呂に入る。
檜風呂はいいよなぁ。風情があるぜ。
風呂を出ると、また黒芒に酒を誘われた。
断る理由も無いので酒に付き合う。
てか、最近は飲んでばかりだな。酒嫌いが何やってんだろうな。酔うのは好きだけど。
チーズとハムを〝アイテムストレージ〟から取り出すと黒芒が「気が利くのう」とご満悦だった。
「そういや、クレハ、次の街はどんな街なんだ?」
ハムを口に運びながら俺はお茶を飲むクレハにふと問いかける。
「えーと、次は〝天空都市ラタトイユ〟かな? うん、多分、あってる筈」
すごいなクレハはまるで世界地図が頭にでも入っているかのようだ。これまでもナビもなく街から街へ移動して来たんだしな。
成績もイイらしいし自頭もイイんだろう。
ちなみに桜はお腹一杯になって、風呂入って血行がよくなり、睡魔に襲われたらしく一足先にご就寝だ。
「って、〝天空都市〟だと!? もしかしなくても浮いてるのか!!」
「うん、浮遊島とも呼んだりするけどね」
「イイねぇ、天空都市の浮遊島か。異世界チックじゃねぇか」
〝元いた世界〟じゃ、飛んでる都市なんてモンは存在していなかった。空はまだまだ未知の領域だしな。
「〝天空都市ラタトイユ〟とは妾も聞いたことが無いのう? ここ千年の間にできた都市かの」
「まあ、千年もあれば都市の一つも出来るだろ」
クイっとワインの入ったグラスを傾ける。
にしても、和服にワインとか、俺ワイン似合わな過ぎだろ? カレーにコーラぐらいミスマッチだ。
いや、そういや親父はカレーには炭酸飲料という変わった食べ方を好んでいたな。
カレーにサイダーやコーラは勿論、ラムネにオロミナンDとか普通に飲んでた。
まあ別にいいんだけどさ。食事は美味ければ食べ方なんて自由なんだし。身体に悪そうだけど。
似合わないワインを俺は飲みながらパストラミとチーズとハムを食べる。
今日も酒を飲まないクレハも「私もう少しパストラミ食べたい」と言い、もぐもぐと大好きな肉料理を幸せそうに食べている。
その後も俺たちは他愛の無い話をしながら寝落ちするまで駄弁り続けた。寝たのは大分遅くなったのは覚えてる。黒芒は元気満タンだったけど。夜行性め。
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