第586話 シナノの新生活19
「シナノと言ったわね? ユキマサの匂いがするわ。貴方、ユキマサと会っていて?」
!? な、何ですか、その嗅覚!? というか、ユキマサさんの匂いがするってなんですか!?
というか、ユキマサさん、この方ともお知り合いなんですね。聞いた所、あの大聖女様とも交流があるとのことで。本当に何者なんですか、あの人?
それにしても〝剣斎〟エルルカ・アーレヤストさん、この方も引くぐらい美人ですね。
このお二人は顔面偏差値が高すぎです。
「わ、私はユキマサさんに〝ハラゴシラエ〟の仕事を紹介していただいたんです。すいません」
何か迫力が凄すぎて謝ってしまいました。
「そう、そんなこともしてるのね。ユキマサは」
「あのー、つかぬことをお聞きしますが、エルルカさんはユキマサさんとはどういった関係ですか?」
きっと、共に魔王軍と戦ったとか、好敵手だとかカッコいい間柄なのでしょう。
「婚約者よ」
「へ?」
「婚約者よ」
二回言いましたよ! 大事なことなのでしょうか。
というか、婚約者!? そう言えばクレハさんとは付き合ってないとおっしゃってましたような。
「えーー!! やっぱりそうなんですかっ!!」
アトラ先輩が大声をあげます。驚き半分、残念半分といった様子です。モテますね。ユキマサさんは。
と、丁度そこでエルルカさんたちのクレープが出来上がります。
出来上がったクレープを受け取った二人は外のベンチに腰掛け食べるようです。私たちとの会話は終わりらしく「それじゃあね」とエルルカさんは言い、フォルタニアさんは「またお店に伺わせていただきますね」と最後に声をかけていきました。
アトラ先輩と一礼して、お二人を見送ります。
まあ、目的地はすぐ隣の白いベンチなのですけど。
「〝六魔導士〟でもクレープ食べるんですね。もっと私たちとはレベルの違う高級志向な方々だと思ってました」
アトラ先輩は、ほえー! と言った驚いた感じで呟きます。それには私も同意です。エルルカさんがクレープを手に持つ姿は、似合ってるような、似合ってないような不思議な感覚です。
「〝旧六魔導士〟ですよ。アトラ先輩。正確には今は〝四魔導士〟まで人数が減ったと新聞に書いてありましたよ」
〝ハラゴシラエ〟では毎日、新聞をお店で購入していまして、従業員ということで私も無料で読ませて貰っていますので、古新聞をゴミ箱から漁り平均三日遅れの情報源だった私はもういません。
今の私は最新の情報を持っています。もう誰にも情報弱者とは言わせません。
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