第583話 シナノの新生活16
服屋を後にすると、私たちはお店に戻ります。
「うぅ……私、気取ってるって思われてませんか?」
被害妄想かも知れませんが『何だあいつ』みたいな目で見られてる気がしてなりません。
正直、視線が痛い気がします。所詮、私にお洒落な白のブラウスに純白のロングスカート、そして麦わら帽子は私には似合わなかったんですー!
「いや、思われてませんよ。しなのんはもっと自分に自信を持ってください。あ、それとまだ少しだけ時間がありますね。もう一件寄っていきませんか?」
「もう一件? 服屋さんにですか?」
服屋を梯子とは何とも女子らしいです。
「いえ、服屋さんはロビさんのお店が一番ですし。服屋さんは今日はもう行きませんよ」
「はて、ではどちらに?」
その私の質問にアトラ先輩はニヤリと楽しそうに笑い問いかけて来ました。
「スイーツですよ、三ノ刻のおやつの時間には少し遅いですが、食べていきましょう! お腹にスイーツの入るキャパはありますか?」
鏡がないので定かではありませんが、スイーツと聞いて私はとても嬉しそうな顔をしていたことでしょう。甘いものが嫌いな女子はそうはいません。それは私も例外では無くスイーツは大好きです。
「はい♪ 勿論です! お腹が空いてきました!」
「あれだけ食べたのにお腹が空いてるんですか? ミリアさんもですが、細い身体の何処にあんな量が入るんですか? 太らないのもズルいです」
ムクれるアトラ先輩はそれでも面倒見は良い方らしく私の手を優しく引いてくれます。
また路地裏と大通りを行き来し、街を進んでいきます。流石は都会っ子のアトラ先輩です。人混みを物ともせず、時にすれ違う見回りのギルド騎士さんにビシッと敬礼をしていました。そう言えばアトラ先輩の飼っている水仙鳩ともアトラ先輩はよく敬礼をしあっています。利口な鳩もいたもんです。
アトラ先輩には「ハトラを食べちゃダメですよ」と言われたことがあります。いくら私でも人様の飼ってる鳥は食べたりしませんよ。本当に余程で無い限り。
そう言えば鳩は食べたことはありませんね。どんな味がするんでしょう、美味しいんでしょうか?
いやいや、食べませんよ?
お世話になってる人のペットを食べたりなんて。
鳩は生涯食べないようにしましょう。余程のことが無い限り。鳩肉料理は〝ハラゴシラエ〟にも無いですし。そんなことより今はスイーツです!
「しなのん、ちょっと急ぎますよ。お店の夕方のオープンに遅れたら女将さんの拳骨が待ってますから。スイーツも並んでないといいですが」
アトラ先輩と私は駆け足でスイーツ屋を目指します。それにしてもスイーツ屋とはどんなスイーツなんでしょうか? 楽しみです。
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