第536話 遅めの夕食
「何か食いに行くか? 昼も食って無いしな」
昼も取らずに遺骨探しをしていた俺は些か空腹だ。クレハも桜も勿論、影の中で日中寝ていた昼夜逆転の黒芒も昼飯は食ってない。
「桜、飯は食えそうか?」
「はい。さっきまでは食事何て気分ではありませんでしたが、指輪のことで少しだけ胸が軽くなりました。その……お腹空きました」
「食欲があるのはいいことだ。クレハと黒芒もいいか?」
「私は勿論だよ!」
「妾は主様と一緒ならば何でも構わぬぞ」
「よし、決まりだ。善は急げだ。行こう──」
と、言うことで夜の街に繰り出す。
桜の家は街外れなので少しばかり歩く。
一般的なレベルで普通の人間程度には夜目の効かなく〝空間移動〟が夜は上手く使えないクレハを空を歩ける俺がお姫様抱っこし、空を飛べる黒芒が桜を抱え、効率的に空から街に向かう。
歩いたら1時間はかかる道が空から行くことによって数分でついたよ。やっぱ空からは早いな。
昨日の泊まった夜は酒場みたくなる宿屋でもいいかなと考えたが、折角、街に来たんだ。色んな所を回ってみたいという俺の意見で別の店に入ることになった。
といっても、また酒場。異世界の夜は基本的に酒場ばかりだ〝大都市エルクステン〟の〝料理屋ハラゴシラエ〟も言わば酒場だったしな。
〝ハラゴシラエ〟は肉料理が有名な店だったけど。いい腕だったよな店主。黒芒と桜にもあの店の肉料理を食べさせてやりたいぐらいだ。いや、次に〝大都市エルクステン〟に行ったら必ず寄ろう。
そーいや、酒場とかに入るといつもふと思うが、シナノは面接受かったのかなね?
意外と即採用になって、もうウェイトレスをこなしてたりしてな。あいつ要領はいいんだし。
街の大通りに有り、比較的明るく賑わってる治安がよさそうな酒場で俺達は食事を取ることにした。
酒場の治安がいいのにはちゃんとした理由がある。店主が、店員が強いのだ。それこそそこらのゴロツキぐらいなら瞬殺できるぐらいの強さはある。
そしてそう言う奴は総じてカンがいい。
俺と黒芒が入った瞬間、こちらを一瞬だけ、普通なら気づかないレベルで、要注意と言った目で見てきた。気づいたのだ、俺と黒芒がその気になれば店主もろとも店の一つ何て簡単に消し飛ぶことになることに。
別に何もしませんよ? 食事に来ただけですよー。
だが、俺が黒芒が店主の警戒の視線に気づいたことに気づいた店主は平然を装っているが少し慌てている。てか、前もこんなことがあった気がするな。
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