第530話 火葬場3
──骨を鑑定すること、約30個目。
―ステータス―
【名前】 時伽義晴
【種族】 人間
【性別】 男
【年齢】 70
見つけた。桜の爺ちゃんの骨だ。
骨と言っても焼かれた後の遺骨だ。小さい。クッキーサイズだ。頭蓋とかならもう少し大きいだろうが。
その後も手当たり次第に骨を探していく。
探すこと一時間。爺さんの方の骨は少しずつ見つかって来ているが、婆さんの方が中々見つからない。
そして更に30分。
―ステータス―
【名前】 時伽千代
【種族】 人間
【性別】 女
【年齢】 71
見つけた。桜の婆さんの骨だ。
一つ見つけると纏まってあるようで、それから直ぐに何個かポツポツと見つかった。
拾って、見て、拾って、見ての繰り返し。
何回、何十回、何百回と繰り返した。
ちなみにだが、粉末状になった骨は流石に見分けが付かなかった。風が吹けば飛んでいってしまうぐらいの骨の残りカスだ。ここら辺はダメだな……
──正午を過ぎた。
見つかった骨はまあまあと言った所だ。
あると言うには少なく、無いと言うには些かある。
まだまだ探すぞ! 時間はまだある。
するとそこに──
「ユキマサさん、ただいま帰りました!」
「ユキマサ君、ただいま」
桜とクレハが帰ってきた。無事に帰ってきてくれてよかった。奴隷商が解体されたとは言え、人攫いの危険がゼロと言うワケではない。
クレハだと心配って言っちゃあれだが、正直この国はまだ治安が悪い。二人が買い物に出た後に寝てる黒芒を起こしてでも付ければよかったかなと思った。
無事に帰って来てくれたからいいものの、これが何かあってからじゃ悔やんでも悔やみきれん。
過保護かと思われるかも知れないが、大切なものを失うよりは過保護な方が全然良い。
「おかえり……って言うにはあまり相応しくない場所だが、無事で何よりだ。少し心配してた」
「むー、ユキマサ君、これでも私は一応〝ユニークスキル〟持ちの騎士だよ? レベルはまだまだだけど、油断せず警戒していれば暴漢の10人や20人に囲まれてもそれなりの対処はできるよ?」
ムスーっとクレハが頬を膨らます。
「そりゃ悪かった。ハハッ、頼もしいじゃねぇか──っと、そういや、骨壺は買えたのか?」
って、聞くまでもないか。クレハの横に立つ、桜の両手には綺麗な骨壺が二つ握りしめられている。
「お陰さまで。すいません、お金出して貰っちゃって、いつか必ず返しますので」
「いいよ。と、言いたい所だが、骨壺の奢りってのもあれだしな? 無利子無催促出世払いで待ってるよ」
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