第502話 国狩り
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「で、主様よ。この街の騒ぎは主様の仕業か?」
「ん? 多分そうだ。奴隷商潰して、奴隷解放して、奴隷商とつるんでる王族に喧嘩売ってきたからな。あー、うん。反省はしてる。後悔はしていない」
「うわ、何て言うかユキマサ君だね……」
「すいません。私のせいで……」
「桜ちゃんのせいじゃないよ! というか、悪いのは奴隷商とこの国の王族だよ! ……あれ、ユキマサ君どうしたの?」
黙る俺にクレハが問いかける。
そして俺はクレハの問いにこう答えた。
「なあ、お前ら、俺は、この国、いや正確には王族か、俺はあいつらを滅ぼそうと思う──……」
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──ジークア王国・王宮
「黒髪、黒眼、スイセン服の若い男だ! 直ぐに探せ! 俺を侮辱した報いを受けさせてやる」
「ヒヒヒ、私も協力しますよ。奴隷商を敵に回した恐ろしさを思い知らせてやりましょう──」
兵を集め、そんな話をする王族と奴隷商人。
「戦闘奴隷も総動員しましょう。代わりならいくらでも補充できますしの」
「全員武器を取れ! あのスイセン服の男を探しだせ!」
「「「「「「「「「「ハッ!」」」」」」」」」」
そうしてジークア王国は進軍した。
*
「ユキマサ君、本気!?」
「ああ、俺はいつでも本気だぜ?」
「でも、奴隷解放は賛成かな。だって可哀想だもん」
「主様の命とあれば妾は国でも魔王でも滅ぼすぞ」
悩みながらも頷いてくれるクレハと俺の発言ならば国でも魔王でも敵に回してくれるらしい黒芒。
俺が言うのも何だけど物騒だよな黒芒。
「よし、決まりだ──と、言ってもクレハと桜は下がっててくれ。一応は国家反逆だからな?」
「ヤダ、私も行くよ! 私だって怒ってるんだから!」
「私も行きます。捕まってる奴隷の人たちの避難誘導ぐらいはできる筈です……正直、怖いですけど」
「……まあ、俺の近くが世界で一番安全だ。それで行こう」
話は決まった。行くぞ、国狩りだ──
*
この国の王宮は山城のように丘陵地に作られていた。
大きさは〝大都市エルクステン〟のギルドの方が大きいな。いや、この国の王宮が小さいのではない〝大都市エルクステン〟のギルドが異常な迄に大きいのだ。大概だよな、あのギルドも。流石は人類最大規模のギルドって所か。ロキ元気かな?
あー、まあ十中八九、3日前に起こったって言う〝魔王戦争〟の後始末に追われてるんだろうな。
と、そんなことを考えてたら。
「主様、門が見えたぞ」
「ああ、俺がやる。下がってな黒芒」
「む、妾がやろうと思ってたが、仕方ないの」
「悪いな」
〝アイテムストレージ〟から〝月夜〟を取り出し、王宮に向かい大きく振るう。
王宮は真っ二つになり崩れ落ちる。
やべ、強すぎたかな? まあいいか。
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