第482話 安否確認
*
──〝ジークア王国〟(現在)
大通り・噴水広場前
俺とクレハと黒芒は新聞を読み終わると、ふぅ。と一先ず、愧火が撃退されたことに安堵する。
黒芒は別に心ここに有らずという感じだったが。
まあ、赤の他人のことなら、別に所詮他人事と見ていても、何ら不思議はない。
新聞から得た情報は──
・3日前〝魔王戦争〟が起きたと言うこと。
・住民たちは元の暮らしを取り戻しつつあると言うこと。
・騎士隊長が壊滅的なダメージを受けたと言うこと。
・魔王となった愧火はノアたちに撃退されたと言うこと。
・〝八柱の大結界〟の〝魔術柱〟が破壊されたと言うこと。
・〝魔王信仰〟のNo.2〝屍〟シリュウ・ブラックが捕まったということ。
──と、盛り沢山の情報だった。
「あいつら、無事だろうな」
「私、ちょっとこの街のギルドで確認してくる」
ダッと、クレハが走る。
各街に大なり小なり99%の確率で一つはあるギルド。そこには高確率で一人はエルフの職員がいる。
エルフは〝精神疎通〟で互いの情報をやり取りできる種族だと聞いた。
そしてクレハの言っていた『確認してくる』とは、エメレアやミリアの安否確認。俺も冒険者登録の時に行った、血判を押しサインをした〝魔力紙〟──これは持ち主が死ねば紙が赤く染め上がるという物だ。その赤紙の確認をエルフ職員を介して〝大都市エルクステン〟のギルドに確認を取るのだろう。
それと懸念すべき問題はもう一つある〝八柱の大結界〟で行動を制限されている魔王は元の四体だけの筈だ。これに今回の愧火は含まれない。
どういうことかと言うと、今は最高で同時に魔王が二人攻めてきてもおかしくないということだ。
これは大問題だ。
別方向から同時に攻めてこられたら、俺でも対応出来ない。戦力の問題じゃない数の問題だ。
なにせ、俺は一人しかいないんだからな。例えば北海道と沖縄で魔王が同時に現れたとしよう、だが魔王と戦えるのは同時刻では一ヶ所だけだ。どちらかを捨てるしか無い。面倒なことになったな。
そんな事を考えつつ俺は黒芒と共に街中のピエロのショーを見ながらクレハを待つ。
玉乗り、綱渡りの一輪車、火の輪潜り。
人だかりの中、それらを眺めてると、俺と腕を組んでる黒芒が不思議そうに尋ねて来た。
「主様よ、あれは何が面白いのじゃ?」
「ん? そう聞かれると反応に困るが。大半の人類はあれが出来ないんだよ。勿論、余裕でこなす奴もいるがな。まあ、だから物珍しさや尊敬感で、言い方悪く言えば見世物で金を稼いでるんだよ」
「その程度もできんのか、今の人類は」
「ピエロも大変なんだよ、道化の道は特にな」
★★★★★★作者からのお願い★★★★★★
作品を読んで下さり本当にありがとうございます!
・面白い
・続きが気になる
・異世界が好きだ
などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!
(また、既に評価、ブックマーク、感想、いいねをいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)
★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!
長々と失礼しました!
何卒よろしくお願いします!




